株式会社アクティバリューズは2025年7月9日、2025年7月23日から25日までインテックス大阪で開催される「ホテル・レストラン・ショー & FOODEX JAPAN in 関西 2025」への出展を発表した。
同社はブース番号K4-W9で、宿泊・観光業向けAll-in-One Hospitality Cloud「talkappi」と旅行アプリ「VERY」を展示する。talkkappiは現在1,500以上の宿泊施設と北海道・沖縄県・奈良市・草津温泉などの自治体・観光協会・DMOに導入されている。
今回の展示では3つの進化ポイントを紹介する。第1に宿泊・観光業向け会員システム「talkappi MEMBER」で、初期費用を抑えた月額料金で提供される。第2に生成AIを活用した「FAQ更新AIアシスト」及び「返信文自動生成」機能で、最短1日で初期データ作成が可能である。第3に旅行アプリ「VERY」と各種PMS連携の強化で、スマートチェックイン、客室精算、レストラン予約、ルームオーダーなどの機能を提供する。
株式会社アクティバリューズは2016年6月17日設立、本社は東京都にある。
From: 宿泊業・観光業の「現場の声」に応えるDXを、関西・大阪で。7/23(水)〜25(金)開催「ホテル・レストラン・ショー & FOODEX JAPAN in 関西 2025」に出展します
【編集部解説】
株式会社アクティバリューズの展示会出展発表は、宿泊・観光業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)が新たな段階に入ったことを示す重要な事例です。同社の「talkappi」は既に1,500以上の宿泊施設に導入されており、この規模は国内の宿泊業界DXソリューションとしては相当な市場浸透度を示しています。
今回注目すべきは、同社が単なる機能追加ではなく、生成AIを活用した運用自動化に踏み込んだ点です。「FAQ更新AIアシスト」機能は、チャットボット内のコンテンツ陳腐化を自動検出し、最短1日で初期データ作成を可能にします。これは従来の手動更新による運用負荷を大幅に軽減する革新的なアプローチといえるでしょう。
技術的な意義と業界への影響
宿泊業界では従来、多言語対応や24時間対応が人的リソースの制約により困難でした。talkkappiのようなAll-in-Oneプラットフォームは、これらの課題を技術的に解決する包括的なソリューションを提供しています。特に「VERY」アプリとPMS(Property Management System)との連携強化は、スマートチェックインから客室精算まで、宿泊体験全体のデジタル化を実現します。
同社の過去のリリースを見ると、OTA価格比較機能、ランドリー利用状況確認機能など、現場の声に応える実用的な機能を継続的に開発してきました。これらの積み重ねが今回の包括的なDXソリューション展示につながっています。
ポジティブな側面と潜在的課題
同社のソリューションは、人手不足に悩む宿泊業界にとって明確なメリットを提供します。電話・メール対応の自動化、多言語対応の強化、OTA手数料削減などは、特に中小規模の宿泊施設にとって経営改善に直結する効果が期待できます。
一方で、過度なデジタル化による人的接客の価値低下というリスクも考慮する必要があります。日本の宿泊業界が誇る「おもてなし」の精神と、効率化を重視するDXソリューションのバランスをいかに保つかが重要な課題となるでしょう。
長期的な業界変化への示唆
アクティバリューズの会員システム「talkappi MEMBER」は、宿泊施設が独自の顧客基盤を構築し、OTAへの依存度を下げる戦略的ツールとして機能します。これは宿泊業界の収益構造に長期的な変化をもたらす可能性があります。
また、「VERY」アプリが目指す「宿泊施設をハブとした観光地域経済圏の形成」は、単なる宿泊DXを超えて、地域観光全体のエコシステム構築という壮大なビジョンを示しています。これが実現すれば、観光地域全体の競争力向上につながるでしょう。
今後の展望
2025年の大阪・関西万博開催によって、関西地域での宿泊・観光DXへの注目度は高まっています。アクティバリューズの展示会出展は、このタイミングでの市場拡大を狙った戦略的な動きと捉えることができます。
同社のような包括的DXソリューションが業界標準となれば、宿泊業界全体の生産性向上と顧客体験の質的向上が同時に実現される可能性があります。ただし、技術導入のスピードと現場スタッフの適応能力のギャップをいかに埋めるかが、成功の鍵を握ることになるでしょう。
【用語解説】
DX(デジタルトランスフォーメーション)
企業がデジタル技術を活用して業務プロセスや顧客体験を根本的に変革し、競争優位性を獲得する取り組み。単なるデジタル化を超えて、ビジネスモデル自体の変革を目指す。
PMS(Property Management System)
ホテルや旅館などの宿泊施設が客室管理、予約管理、料金設定、顧客情報管理などを一元的に行うためのシステム。宿泊業界の基幹システムとして機能する。
OTA(Online Travel Agent)
楽天トラベル、じゃらん、Booking.comなどのオンライン旅行予約サイト。宿泊施設にとって集客チャネルとなる一方、手数料負担が課題となっている。
FAQ(Frequently Asked Questions)
よくある質問とその回答をまとめたコンテンツ。顧客サポートの効率化と顧客の自己解決促進を目的として設置される。
生成AI
ChatGPTなどに代表される、テキストや画像などのコンテンツを自動生成できる人工知能技術。近年の技術進歩により、自然な文章作成や翻訳、要約などが可能になった。
DMO(Destination Management Organization)
観光地域づくりを推進する組織。地域の観光資源を活用し、マーケティングや受入環境整備を行う。
【参考リンク】
株式会社アクティバリューズ(外部)
宿泊・観光業界に特化したAIソリューションを提供するスタートアップ企業の公式サイト
talkappi公式サイト(外部)
宿泊・観光業界向けAll-in-One Hospitality Cloudプラットフォームの詳細情報
VERY travel公式サイト(外部)
旅行計画から滞在中の体験まで、旅のすべてをカバーするスーパーアプリ
FAQ更新AIアシスト機能詳細(外部)
業界初の生成AIを活用したFAQ自動更新機能の詳細説明ページ
【参考記事】
宿泊施設公式サイトでの最安価格とOTA価格の比較表示機能(外部)
2025年5月発表のOTA手数料削減を目指した価格比較機能開発について
業界初!生成AIが回答更新を自動検出(外部)
2025年4月より提供開始されたFAQ更新AIアシスト機能の詳細解説
旅ナカアプリ「VERY」に新機能!ランドリー利用状況確認(外部)
2025年1月より提供開始されたVERYアプリの新機能についての詳細
【編集部後記】
宿泊業界のDXが急速に進む中、皆さんが最近利用されたホテルや旅館ではどのような変化を感じられましたか?チェックインの自動化や多言語対応、スマホでの各種予約など、便利になった一方で「人との温かいやりとりが減った」と感じることはありませんか?アクティバリューズのような技術が普及すれば、確実に業務効率は向上します。けれどその中で「おもてなし」の心をどう残していくかは新たな課題となっています。この技術進歩の波の中で、どんな宿泊体験が求められているのでしょうか。ぜひ一緒に考えてみませんか。