株式会社ランクアップが運営するスクール型民間学童「クレイバーキッズ」が、2025年8月1日から4日にかけて首都圏(一都三県)の小学4~6年生の子どもを持つ20代から40代の親200名を対象に生成AI活用と将来に関する調査を実施した。
調査では、46.0%の子どもが生成AIの存在を知っており、親の31.5%が生成AIの連続使用時間として20~30分を許容できると回答した。63.5%の親が生成AIの使用にメリットとデメリットの両方を感じており、56.0%の親は子どもの将来の仕事がAIに取って代わられることに不安を抱いている。76.0%の親が子どもにAIを使いこなせる大人になってほしいと考え、一方で86.0%がAIに頼らない発想力や思考力を身に付けてほしいと回答した。(クレイバーキッズ調べ)
From: 【子どもの生成AI活用と将来に関する調査】子どもが大人になったときに就く仕事がAIに取って代わられることに不安を感じた親は半数以上 AI時代、子どもに発想力や思考力を身に付けてほしいと思う親は8割以上
【編集部解説】
今回のクレイバーキッズの調査結果は、日本の親世代が抱えるAI時代への複雑な感情を如実に映し出しています。
実際、海外での同様の調査でも、親の49%が子どもと生成AIについて話し合ったことがないという結果が出ており、これは日本に限らずグローバルな課題であることが分かります。しかし、日本の調査で46%の子どもがすでに生成AIの存在を知っているという事実は、技術浸透の速度を物語っています。
特に興味深いのは、親たちの思考プロセスです。56%の親が「子どもの仕事がAIに取って代わられる不安」を抱える一方で、76%が「AIを使いこなせる大人になってほしい」と望んでいる点に、現代の親世代のジレンマが表れています。
米国の調査では71%の親がAIツールが創造性を減少させると懸念しているのに対し、日本では「思考力低下」への懸念が59%と、若干低めの数値を示しています。これは文化的な教育観の違いを反映している可能性があります。
連続使用時間への制限意識も注目すべき点です。31.5%の親が20〜30分を許容する一方、30%が5分未満を希望するという二極化は、AIとの適切な距離感を模索する親世代の悩みを表しています。
この調査結果が示す最も重要な洞察は、技術と人間性のバランスに対する親たちの意識の高さです。86%の親が「発想力や思考力を身に付けてほしい」と回答した背景には、AIが得意とする情報処理能力ではなく、人間固有の創造性や批判的思考こそが将来の差別化要因になるという直感的理解があります。
また、90.5%の親が「思考力が必要」と感じた経験があり、そのうち69.6%が「意見やアイデアを求められたとき」と回答している点は、現在の労働市場でもクリエイティブで建設的な思考力が重要視されていることを示しています。
このような状況下で、子どもたちが将来直面するのは、AIを道具として活用しながらも、人間らしい発想力や問題解決能力を発揮することが求められる社会です。教育現場でも、単純な知識習得からAIとの協働や批判的思考を重視したカリキュラムへの転換が急務となっています。
【用語解説】
デジタル・ネイティブ
生まれた時からインターネットやデジタル機器が当たり前に存在する環境で育った世代のことを指す。
クリティカルシンキング
情報を鵜呑みにせず、論理的に分析・評価し、適切な判断を下す批判的思考力のことである。
【参考リンク】
クレイバーキッズ(外部)
思考力と創造性を育むスクール型民間学童。港区外苑前にて小学生1~3年生を対象に、米国ミネルバ大学の思考習慣を参考にした独自カリキュラムを提供する。
株式会社ランクアップ(外部)
化粧品ブランド「マナラ」「アールオム」「アクナル」を展開する化粧品メーカー。2024年より教育事業「クレイバーキッズ」も運営している。
楽天インサイト株式会社(外部)
今回の調査を実施した市場調査会社。オンラインリサーチを中心に企業のマーケティング活動を支援する楽天グループの調査会社である。
【参考記事】
Are Our Children Using AI Without Us Noticing?(外部)
UNICRI(国連犯罪司法研究所)による子どものAI利用実態に関する調査報告。49%の親が子どもと生成AIについて話し合ったことがないという海外の状況を報告している。
What US Parents Really Think About AI & its Influence on Kids(外部)
米国における親のAIに対する認識調査。71%の親がAIツールが創造性を減少させると懸念しており、日本の調査結果との比較が興味深い内容となっている。
Should Kids Use ChatGPT for School? Experts Weigh In(外部)
Forbes誌による教育現場でのChatGPT使用に関する専門家の見解。学校でのAI使用について親や教育者が分かれる意見を持っていることを詳細に分析している。
Will AI Replace Jobs? What We Need to Know About(外部)
Safe AI for Children組織による、AI時代における子どもたちの将来の職業への影響分析。AIが取って代わる可能性のある仕事と、人間特有のスキルの重要性について論じている。
【編集部後記】
今回の調査結果を見て、みなさんはどのように感じられたでしょうか。親として、あるいは将来親になる立場として、子どもたちがAIと共存していく時代をどう捉えていますか。
現在子供を持つ親世代は、自身が子供の頃にはなかったAIなどのテクノロジーと子供との関係性において、正解のない問いを常に抱えていると思います。この調査で86%の親が思考力の重要性を感じているように、技術の進歩と人間らしさのバランスを見つけることが私たち親世代、そして子供たちにとっての共通課題なのかもしれません。
みなさんは子どもたちにどんな力を身につけてほしいと考えますか。また、AI時代の教育について、どのような取り組みや工夫をされているでしょうか。ぜひ、みなさんの体験や考えをお聞かせください。