Irving、住友、NewmontのJV、日本の東山鹿野で複数の高品位金鉱脈を発見

Irving、住友、NewmontのJV、日本の東山鹿野で複数の高品位金鉱脈を発見

Irving Resources Inc.は2025年9月10日、日本のEast Yamaganoジョイントベンチャー(以下JV)で実施したダイヤモンド試錐孔25SY-001において複数の鉱化脈帯を発見したと発表した。

南向き傾斜82度で掘削されたこの試錐孔は、総深度752メートルに達した。公式発表によると、特に注目すべき成果として以下の3つの高品位ゾーンが報告されている。

  • 深度444.0mから始まる5.0m区間で平均金品位2.90 gptを記録し、その中には1.0m幅で8.30 gptの高品位部分を含む。
  • 深度490.8mから始まる1.2m区間で平均金品位4.14 gptを記録し、その中には0.5m幅で8.38 gptの高品位部分を含む。
  • 深度678.0mから始まる2.0m区間で平均金品位2.48 gptを記録し、その中には1.0m幅で4.53 gptの高品位部分を含む。

これらの結果は、より浅い深度で実施された過去の試錐孔24SY-001の結果を大幅に上回るものである。また、約1km南で掘削された試錐孔25SY-002Aも深度951.8mで完了しており、分析結果が待たれる。

このJVは、世界最大級の金生産企業Newmont Corporationの完全子会社であるNewmont Overseas Exploration Limited(60%)、Irving(27.5%)、そして住友商事(12.5%)の3社で構成されている。採取された試料の分析はオーストラリアのALS Globalが担当し、技術情報のレビューはIrvingの取締役兼技術顧問であるクイントン・ヘニグ博士によって行われた。

From: 文献リンクIrving Encounters Multiple Gold Veins in Latest Diamond Drill Hole at East Yamagano, Japan

【編集部解説】

この発見が特に注目される理由は、日本国内では特に珍しい本格的な金鉱脈の発掘事例となる点にあります。東山鹿野JVはNewmont、住友商事、Irvingの複数企業が参画する国際共同プロジェクトであり、グローバルリソース企業の技術・資本が日本の地で結集しています。実際、複数のゾーンで掘削深度444m、490.8m、678mなどで高品位の結果が得られており、従来の浅い掘削結果よりも著しく高い数値です。

地質学的には、ストックワーク構造とシリカ化が明瞭に観察されていることから、将来的にさらに厚み・広がりのある脈帯が埋蔵している可能性が示唆されています。JVチームはAMT抵抗体の深部に鉱化のコアがある可能性を考慮し、追加掘削を計画しています。

このような新発見は日本国内の金生産の活性化にもつながる重要な意義を持ちます。資源安全保障やレアメタル供給源の多様化にもポジティブな影響を与えることが期待されます。その一方、長期的な採掘にかかる環境リスクへの配慮や、地域社会との協調、鉱区規制への対応など多角的な課題も現時点で見逃せません。

新たな鉱脈発見によって、プロジェクトの経済性や今後の試錐計画が大きく進展する可能性があり、世界的な金価格の変動にも少なからず影響を与えるかもしれません。今後の試錐データや外部分析の結果を注視する必要があります。

【用語解説】

ダイヤモンド試錐孔
地中深くまで掘削し、岩石試料(コア)を採取するための特殊なドリル方法。鉱脈調査や資源評価に用いられる。

品位(gpt)
採取した鉱石中の金・銀の含有量をグラム毎トン(gpt:grams per tonne)で表す指標。豊富な鉱脈ほど品位が高い。

ストックワーク脈帯
複数の小さな鉱化脈が交差・集積する鉱床構造。高品位の鉱石分布が特徴。

AMT(オーディオ・マグネトテリック)抵抗体
地下の電気抵抗構造を探査し、鉱化帯や鉱床の位置を推定する地球物理手法。

【参考リンク】

Irving Resources公式サイト(外部)
日本国内で金鉱探査を展開するカナダ拠点の鉱山探査企業公式サイト。

Newmont Corporation公式サイト(外部)
世界最大級の金生産企業によるグローバル鉱山開発実績と事業情報掲載。

住友商事公式サイト(外部)
国内外で資源・化学品分野を展開する総合商社による事業・プロジェクト情報。

ALS Global公式サイト(外部)
鉱物分析・環境試験サービスを世界各地で展開する専門ラボ。

【参考記事】

Irving Reports 8.3 g/t Gold in East Yamagano Drill Results | IRVRF(外部)
複数深度で高品位金が観察された試錐結果と含有量を海外投資家向けに解説。

Explorer Finds High-Grade Gold Potential at Japan Project(外部)
JVの地質評価や鉱脈システム、プロジェクト将来性を分かりやすく分析。

【編集部後記】

みなさんは、「日本で新しい鉱脈が発見されること」にどんな可能性を感じますか?国内での金の採掘は希少ですが、探査技術の進化や国際的な協力によって、私たちの暮らしや日本の産業にも新しい展開が生まれるかもしれません。地域の環境や経済、そして未来の資源利用について、どんな期待や疑問が浮かぶでしょう。みなさんの感じたことを、SNSでぜひ共有してください。

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