日本IBM×セガXD「バトルワーカーズ」- 生成AIカードゲーム型企業研修サービスを発表

日本IBM×セガXD「バトルワーカーズ」- 生成AIカードゲーム型企業研修サービスを発表

日本IBMは、セガXD監修による企業向け生成AI研修サービス「Generative AI Card Game Training – バトルワーカーズ」を2025年11月17日より提供開始した。

本サービスはゲーム形式を取り入れ、参加者が自身の業務内容をオンライン上で入力すると生成AIが評価を行い、スコア付きバトルカードと様々な効果を持つサポートカードを生成する仕組みとなっている。得られたカードは印刷して個人対戦やチーム戦で活用でき、単なる知識習得だけでなく、体験を通してAIプロンプト設計やハルシネーション等の生成AI特有のリスク要因、著作権や攻撃手法などまで理解させる設計だ。

本研修は初心者から中級者まで幅広く対応し、業務見直しやキャリア形成への気づきをもたらす他、参加者同士の交流を通じたコミュニケーション促進やチームビルディング効果も狙っている。IBMのAI技術(watsonx含む)を活用しつつ、日本IBMの人材育成部門によるノウハウを反映。今後は企業のDX推進を支援する人材育成策として、ビジネスパートナー経由での拡大展開も検討されている。

From: 文献リンク日本IBM、「ゲーム感覚で生成AIを学べる研修サービス」を提供開始 カードゲーム形式でAIを学べる『バトルワーカーズ』を日本IBMが提供、セガXDが監修

【編集部解説】

日本IBMとセガXDがコラボレーションした「Generative AI Card Game Training – バトルワーカーズ」は、企業研修の概念を大きく変える可能性を持ったサービスです。このプログラムは、セガXDが長年ゲーム開発で培ってきた「人を夢中にさせるゲーミフィケーション設計力」と、日本IBMのAI技術・人材育成ノウハウを組み合わせることで、生成AIの基礎知識やリスク理解、実践的なプロンプト設計スキルまでを体験的に習得できる仕組みとなっています。

本サービスの中核は、参加者が自分の業務内容をオンラインシステムに入力し、生成AIがそれを評価してスコア付きのバトルカードとサポートカードを生成するという流れです。このカード生成プロセス自体が、AIのプロンプト設計やハルシネーション(誤情報生成)、プロンプト・インジェクション攻撃といった生成AI特有のリスクを体感的に学ぶ場となります。さらに、生成されたカードを用いた対戦形式により、「勝ちたい」というモチベーションが学習意欲を自然に高め、知識の定着率を向上させる設計が施されています。

セガXDは「ついやりたくなる」「ついやり続けてしまう」体験を生み出す独自技術を体系化しており、人間の9つの本質的欲求と101種類の体験デザイン手法を整理した「ゲーミフィケーションボード」を活用しています。バトルワーカーズはこうした設計思想のもと、単なるゲーム要素の導入ではなく、参加者の心理に深く働きかけ行動変容を促す仕掛けが随所に組み込まれています。

一方で、企業のAI活用においては依然として大きな課題が残っています。IBM Institute for Business Valueが2025年に発表したCEOスタディによると61%の企業がAIエージェントの積極採用を進めている一方、現場での活用人材は限定的です。「何から学べばよいか分からない」「専門的で難しそう」といった心理的ハードルが、AI導入の障壁となっているのが実情です。バトルワーカーズはこうした課題に対し、楽しさと実践性を両立させた研修として、組織全体のAIリテラシー向上と文化醸成を後押しします。

今後、日本IBMは本サービスを人材育成プロジェクトの一環として提供するほか、カスタマイズやビジネスパートナー経由での展開も検討しています。ゲーミフィケーションと生成AIの融合は、企業のDX推進において重要な役割を果たし、個人のキャリア形成や組織のイノベーション創出にもつながる取り組みといえるでしょう。

【用語解説】

ゲーミフィケーション
ゲームの仕組みをビジネスや教育に応用し、参加者の動機付けや能力向上を促進する手法。

プロンプト・インジェクション攻撃
AIシステムへの入力指示文に不正な内容を混入させ、意図せぬ動作や情報漏洩を誘発するリスク。

【参考リンク】

IBM公式サイト(外部)
IBMコーポレーションはITサービス・AI・DX分野でグローバル展開している企業。

セガXD公式サイト(外部)
株式会社セガXDはゲーミフィケーションとデジタル体験設計事業を展開する日本企業。

watsonx 製品情報(外部)
企業向け生成AIやデータ分析のためのIBMのAIサービスプラットフォーム情報。

【参考記事】

日本IBM、「ゲーム感覚で生成AIを学べる研修サービス」を提供開始 – セガXD監修(外部)
日本IBMとセガXDによる生成AIカードゲーム研修サービス発表、サービス特徴を詳説。

Top eLearning Gamification Companies (2025 Update)(外部)
世界の企業研修分野のゲーミフィケーション導入事例と市場規模の分析記事。

AI and the Future of Workplace Training: 2025’s Game-changing Methods(外部)
AIとゲーミフィケーションによる企業研修の最新動向と可能性を包括的に解説。

【編集部後記】

このニュースを読みながら、「自分が仕事や学びの中でAIとどう関わっていくのか?」少し考えてみませんか。カードゲーム形式でAIを体験的に学ぶことで、“座学だけ”では得られない新しい視点や楽しさを発見できるかもしれません。今の時代、多様なスキルやアイデアが求められる中で、「遊び」が学びを助けてくれる体験は想像以上に大きな意味を持っていると感じます。もし今回の記事で気になる技術や疑問があれば、ぜひ日常業務や勉強の中で試してみてください。

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