Freepik、CES 2026でAIクリエイティブスイート刷新。Spacesでワークフロー革新へ

Freepik、CES 2026でAIクリエイティブスイート刷新。Spacesでワークフロー革新へ

Freepikは、ストック画像カタログから完全なクリエイティブAIスイートへと進化し、月間1億人以上のユーザーを獲得している。同社は2026年1月7日、CES 2026でプログラムの再設計を発表した。共同創設者兼CEOのホアキン・クエンカ・アベラによると、新しい再設計はプロのクリエイターと共に構築された。Freepikは協働ワークフロー「Spaces」を含むプロフェッショナルグレードのAIツールを提供している。Spacesでは、ノードをリンクして視覚的なワークフローを作成でき、参照画像の変更時にワンクリックでプロセス全体を再実行できる。同社はOpenAIのSora、GoogleのNano Banana Pro、ElevenLabsのオーディオ生成モデルなど複数のモデルを提供している。AI製品条項では、クリエイターがAI生成作品の権利を所有し、同社はユーザーのコンテンツでAIモデルをトレーニングしないと約束している。

From: 文献リンクRemember the Stock Image Catalog Freepik? Its Makeover for the AI Era Is Ready

【編集部解説】

Freepikの進化は、クリエイティブAI市場における重要な転換点を示しています。かつて無料素材サイトとして知られていた同社が、月間1億人以上のユーザーを抱えるAIファーストのクリエイティブスイートへと変貌を遂げたことは、AI時代におけるクリエイティブツールの再定義を象徴する出来事です。

特に注目すべきは、Freepikが2025年11月に正式リリースした「Spaces」という機能です。これはノードベースのワークフロー環境で、複数のAIモデルを視覚的につなぎ合わせ、チーム全体で共有できる仕組みを提供します。例えば、参照画像をアップロードし、テキストプロンプトで画像を生成し、さらにそれを動画にアニメーション化する、といった一連の作業を1つのキャンバス上で完結できます。

この「キャンバス型ワークフロー」は、実はクリエイティブAI業界で急速に標準化しつつあるアプローチです。RunwayやKrea、ImagineArtなども同様の機能を開発中であり、デザインツールのFigmaがコラボレーションで成功したように、AI制作においてもチームでの共同作業が不可欠になっていることを示しています。

Adobeとの比較も興味深い点です。AdobeがPhotoshopやFireflyで「既存ツールへのAI追加」というアプローチを取るのに対し、Freepikは「AIファースト、ワークフロー全体への統合」を掲げています。これは、新規参入者ならではの大胆な戦略です。ただし、Adobeが昨年秋に発表した「Project Graph」も同様のコンセプトを持っており、巨人が本格参入すればFreepikの優位性は揺らぐ可能性があります。

技術面では、Freepikが複数の最先端AIモデルを統合している点が強みです。OpenAIのSora、GoogleのNano Banana Pro(Gemini 3 Pro Imageベース)、ElevenLabsのオーディオ生成など、各社の最良モデルを選択できる「マルチモデル戦略」は、単一企業のエコシステムに依存しない柔軟性を提供します。

しかし、プロのクリエイターがAIをワークフローの「あらゆる段階」で使用することには、依然として抵抗があります。記事でも言及されているように、AIの予測不可能性や幻覚(ハルシネーション)の問題は、品質管理が厳格なプロジェクトでは致命的です。Freepikが「細部志向の編集ツール」を強化しているのは、まさにこの課題への対応です。

日本のクリエイティブ市場においても、この動きは無視できません。日本企業の多くはAdobeのエコシステムに深く依存していますが、コスト面でFreepikのようなオルタナティブは魅力的です。特に中小規模の制作会社やフリーランスにとって、月額制で複数のAIツールにアクセスできる統合プラットフォームは、制作コストの大幅な削減につながる可能性があります。

ただし、Freepikの利用規約では、有料サブスクライバーでも「限定的な商業保護」しか提供されないため、大規模な商業プロジェクトでは法的リスクの精査が必要です。この点は、企業利用を検討する際の重要なチェックポイントとなるでしょう。

クリエイティブAI市場は、2026年にさらなる統合と競争の激化が予想されます。FreepikのようなAIネイティブ企業と、AdobeやCanvaのような既存大手との競争が、最終的にはクリエイター全体の選択肢を広げ、ツールの質を向上させることになるはずです。

【用語解説】

ノードベースワークフロー
視覚的に作業工程をノード(節点)として表現し、それらをつなぎ合わせて処理の流れを構築する手法。各ノードが特定のタスク(画像生成、動画変換など)を担当し、データの流れを矢印で示すことで、複雑な制作プロセスを視覚化・自動化できる。

AIファーストアプローチ
既存のツールにAI機能を追加するのではなく、最初からAIを中核に据えて製品やサービスを設計する戦略。ワークフロー全体をAIで最適化することを前提とする。

マルチモーダル
テキスト、画像、動画、音声など、複数の異なる形式のデータを統合的に扱える能力。クリエイティブAIにおいては、様々なメディア形式を横断して制作できることを意味する。

幻覚(ハルシネーション)
AIが事実に基づかない情報を生成してしまう現象。画像生成AIでは、指示と異なる要素が出現したり、物理法則に反する表現が生成されたりすることを指す。

CES(Consumer Electronics Show)
毎年1月にラスベガスで開催される世界最大級のテクノロジー見本市。最新のコンシューマー向けテクノロジー製品やサービスが発表される。

【参考リンク】

Freepik(外部)
AIツールと2億5000万点以上のストック素材を統合したクリエイティブプラットフォーム。

Freepik Spaces(外部)
ノードベースの協働ワークフロー環境。複数のAIツールを視覚的につなぐ無限キャンバス。

Adobe Firefly(外部)
Adobeが開発した商業利用向けのジェネレーティブAIモデル。Adobe製品に統合。

OpenAI Sora(外部)
OpenAIが開発したテキストから動画を生成するAIモデル。最大1分間の高品質動画を作成。

Google Nano Banana Pro(外部)
Gemini 3 Proベースの画像生成・編集モデル。最大4K解像度での生成に対応。

ElevenLabs(外部)
テキストから自然な音声を生成するAI音声合成プラットフォーム。多言語対応。

Midjourney(外部)
Discordベースで提供される高品質なAI画像生成サービス。アーティスティックな表現に優れる。

Figma(外部)
クラウドベースのデザインツール。リアルタイムコラボレーション機能で業界標準に。

【参考記事】

Freepik’s path to a 100m MAU image-gen platform(外部)
月間1億ユーザー到達までの成長過程。1日500万枚の画像生成実績など運用データを提供。

Freepik Launches Freepik Spaces to Power AI Visual Creation and Collaboration in Real Time(外部)
Spacesの2025年11月正式リリースのプレスリリース。エンタープライズ向け機能を掲載。

Nano Banana Pro: Gemini 3 Pro Image model from Google DeepMind(外部)
GoogleのNano Banana Pro発表公式記事。多言語テキストレンダリングなど技術仕様を説明。

Nano Banana Pro available for enterprise(外部)
Nano Banana Proのエンタープライズ向け提供。Adobe、Figma、Canvaとの統合を詳述。

Testing Freepik Spaces: Node-Based canvases are taking over AI Video(外部)
Freepik Spacesの実機テストレポート。他プラットフォームとの比較分析。

From AI Innovation to Record-breaking User Numbers: Freepik Celebrates its Most Successful Year to Date(外部)
2023年に月間1億5000万ユーザー達成。EyeEm買収など成長戦略の詳細を含む。

【編集部後記】

クリエイティブな仕事をされている皆さんは、日々の制作でAIツールをどのように活用されていますか? FreepikのようなAIファーストのプラットフォームと、Adobeのような既存ツールへのAI統合、どちらが自分のワークフローに合っているのか。これは正解のない問いかもしれません。Spacesのような協働型のキャンバスは、チームでの制作を変える可能性を秘めていますが、同時に新しい学習コストも伴います。皆さんが普段使っているツールとFreepikを比較してみて、何か気づいたことがあれば、ぜひSNSなどで共有していただけると嬉しいです。私たちも一緒に、このAI時代のクリエイティブツールの進化を見守っていきたいと思います。

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