1. Azure AI Foundry Agent Serviceの一般提供開始 – 複数の専門エージェントを調整して複雑なワークフローを処理する機能を提供する。Agent2Agent(A2A)やModel Context Protocol(MCP)などのオープンプロトコルをサポートし、エンタープライズグレードのAIエージェントを構築可能にする。
2. Microsoft Entra Agent IDのプレビュー版リリース – Microsoft Copilot StudioやAzure AI Foundryで作成されるエージェントに自動的に一意のIDを割り当て、企業が「エージェント拡散(agent sprawl)」を防止し、エージェントを安全に管理できるようにする。
3. GitHub Copilotコーディングエージェントの進化 – コードのリファクタリング、テストカバレッジの向上、欠陥の修正、新機能の実装を自律的に行うことができる。また、GitHub Copilot ChatのVisual Studio Code版をオープンソース化し、開発者コミュニティが貢献できるようにした。
4. Windows AI Foundryの発表 – Windows Copilot Runtimeの進化形として、Windows上でのローカルAI開発のための統一プラットフォームを提供する。Windows MLを含み、CPUやGPU、NPUなど様々なハードウェアでのAIモデル展開をサポートする。「Foundry Local」はWindows 11やMacOSでAIモデル、ツール、エージェントを直接デバイス上で実行することを容易にする。
5. Microsoft Discoveryプラットフォームの導入 – 科学研究開発を加速するためのプラットフォームで、例えばデータセンター用の非PFAS浸漬冷却剤を従来の何年もかかるプロセスからわずか200時間で発見することに成功した。367,000の潜在的候補をスクリーニングし、パートナー企業と協力して結果を合成した。
NLWeb(Natural Language Web)というオープンプロジェクトの発表も重要です。これはウェブの次の進化形を示唆しています。HTMLがウェブページの構造を定義したように、NLWebはAIエージェントがウェブコンテンツと自然に対話するための基盤を提供します。これにより、ウェブサイトはAIエージェントにとって「理解可能」になり、ユーザーに代わって情報収集や予約などのタスクを実行できるようになるでしょう。
企業にとっては、Microsoft 365 Copilot TuningやAzure AI Foundry Agent Serviceなどのツールにより、独自のデータを活用したカスタムAIエージェントの構築が容易になります。特に、Ray Smith氏(マイクロソフトのAIエージェント担当VP)が指摘するように、複雑なタスクを複数のエージェントに分割することで、保守性と信頼性が向上します。「1つのエージェントに詰め込む信頼性の高いプロセスを作成するのは非常に難しい」という課題に対して、マルチエージェントシステムは効果的な解決策となります。
また、ローカルAI(オンデバイスAI)への注力も見逃せません。Windows AI FoundryやFoundry Localにより、クラウドに依存せずにデバイス上で直接AIを実行できるようになります。これはプライバシー保護、コスト削減、インターネット接続に依存しない動作という点で大きなメリットがあります。