Google DeepMindが開発した新しいAIシステム「AlphaGeometry」は、高校生レベルの複雑な幾何学問題を解くことができるようになりました。このシステムは、人間のような推論スキルを持つマシンに向けた重要な一歩とされています。
幾何学はAI研究者にとって長らく課題でしたが、AlphaGeometryは言語モデルと記号を使った推論を行う「シンボリックエンジン」を組み合わせることで、創造的思考と論理的推理を行いながら問題を解決します。この方法は、人間が幾何学問題を解く際のプロセスに似ています。
国際数学オリンピアードの問題30問に挑戦し、25問を制限時間内に解きました。これは、1978年に開発された前の最先端システムが解けた10問を大きく上回る結果です。
研究者たちは、幾何学データの不足を補うために、約5億のランダムな幾何学図形を生成し、シンボリックエンジンで分析させ、その結果を使って言語モデルを訓練しました。
AlphaGeometryの能力は、数学だけでなく、コンピュータビジョン、建築、理論物理学など、幾何学問題解決が必要な分野にも影響を及ぼす可能性があります。ただし、大学レベルの高度な抽象的な問題にはまだ対応できていませんが、将来的にはより広範な数学分野に同様のアプローチを適用することを目指しています。
from Google DeepMind’s new AI system can solve complex geometry problems.