【ダイジェスト】
インドは選挙年にあたる中間予算を発表し、暗号資産(クリプト)取引に対する厳しい税制を維持しています。具体的には、利益に対する30%の税率と、全取引に対する1%の源泉徴収税(TDS)が継続されます。この税制に変更はなく、国内のクリプト業界やシンクタンクからの圧力にもかかわらず、期待されていたTDSの引き下げは実現しませんでした。
インドの財務大臣ニルマラ・シタラマンは、通常通り議会で予算を発表しましたが、直接税や間接税に関する変更はありませんでした。選挙年には通常、完全な予算ではなく、短期間の支出を賄うための中間予算が提示されます。完全な予算は選挙結果後の7月に期待されています。
インドのクリプト業界は、1%のTDSを0.01%に引き下げるよう政府に求めてきましたが、この税率は2年前に初めて発表されて以来、変更されていません。この税率により、約500万人のクリプトトレーダーが取引を海外に移し、政府の収入が約4億2000万ドル減少したとされています。
しかし、政府は過去2年間で税率を引き下げていませんが、先月、海外のクリプト取引所に対する行動を取り、結果としてインドの取引所へのクリプト活動が戻ってきました。
【ニュース解説】
インド政府は、選挙年にあたる2024年の中間予算を発表し、暗号資産(クリプトカレンシー)取引に対する厳しい税制を変更せずに維持することを明らかにしました。この税制は、取引から得た利益に対して30%の税を課すものであり、さらに全ての取引に対して1%の源泉徴収税(TDS)を適用するというものです。この決定は、国内のクリプト業界やシンクタンクからの圧力にもかかわらず、変更されなかったことで注目を集めています。
この税制は、インドのクリプト市場に大きな影響を与えています。特に1%のTDSは、多くのトレーダーが取引をインド国外の取引所に移す原因となり、インド政府の税収に損失をもたらしていると指摘されています。クリプト業界は、TDSを0.01%に引き下げることで、国内の取引所での活動を促進し、税収の損失を防ぐことを提案していましたが、今回の予算発表ではそのような変更は見られませんでした。
この税制の維持は、インドがクリプトカレンシーに対して慎重な姿勢を取り続けていることを示しています。一方で、インド政府は海外のクリプト取引所に対する規制を強化し、国内の取引所への活動を促進する動きも見せています。これは、国内のクリプト市場を保護し、税収を確保するための措置と考えられます。
このような厳しい税制は、インドのクリプト業界の成長にブレーキをかける可能性がありますが、同時に政府の税収を確保し、市場の過熱を抑制する効果も期待されます。長期的には、インド政府がクリプトカレンシーに対する規制をどのように進化させるかが、国内外の投資家や業界関係者の注目を集めることでしょう。また、この税制がインドのデジタルイノベーションやブロックチェーン技術の発展にどのような影響を与えるかも、重要な観察ポイントです。
from India Keeps Stiff Taxes on Crypto as Interim-Budget Is Revealed in Election Year.