【ダイジェスト】
Coinbase(COIN)の株価は2023年に390%以上の上昇を見せ、最もパフォーマンスの良い株の一つとなりましたが、2024年に入ってからは32%の下落を記録しています。一方で、ビットコインは2.65%上昇しています。Leverage Sharesのアナリストによると、ビットコイン取引に関するCoinbaseの収益は、ビットコインETF(上場投資信託)の手数料がCoinbaseのそれよりも低いために減少する可能性があります。しかし、CoinbaseはETFの代理として行動することにより得られる手数料収入から恩恵を受けるでしょう。
ビットコインETFの登場は、プロの投資家にとって魅力的であり、Coinbaseの収益源の一部を危険にさらしています。Coinbaseは現在、11のファンドのうち8つのカストディアンであり、0.2%の手数料を受け取り、ビットコインの保管に追加料金を請求します。
短期的には、数ヶ月間の手数料免除を提供するファンドがCoinbaseの手数料を減少させる可能性がありますが、承認以来の取引量の減少が今後数四半期にわたってより大きな影響を与える可能性があります。中期的には、初期のハイプが落ち着いた後、Coinbaseはコスト構造を見直す必要があるかもしれません。長期的には、より多くの発行者が承認されると(Coinbaseがカストディアンとして名前が挙がるかどうかにかかわらず)、取引量はETPに移行し、Coinbaseの市場シェアの競争は激化するでしょう。
【ニュース解説】
Coinbase(コインベース)は、暗号資産取引所として知られ、2023年には株価が390%以上も上昇し、市場でのパフォーマンスが非常に良好でした。しかし、2024年に入ってからは、その株価は32%も下落しています。これは、ビットコインETF(上場投資信託)の登場が影響していると考えられます。ビットコインETFは、投資家がより低い手数料でビットコインに投資できる手段を提供し、これによりCoinbaseのビットコイン取引による収益が減少するリスクがあります。
ビットコインETFは、特にプロの投資家にとって魅力的な投資手段であり、従来の取引所を通じてビットコインに投資するよりもコストが低いため、Coinbaseのような取引所の収益に影響を与える可能性があります。Coinbaseは取引手数料として1.5%から4%を請求していますが、ビットコインETFの手数料は0.4%未満となっているため、投資家はETFを通じた投資を選ぶかもしれません。
ただし、CoinbaseはビットコインETFのカストディアン(保管サービス提供者)として機能しており、ETFに対して0.2%の手数料を受け取るほか、ビットコインの保管に関する追加料金も請求しています。これにより、ビットコインの価格が上昇すると、保管している資産の価値が増加し、Coinbaseの収益も増加する可能性があります。
短期的には、手数料免除を提供するファンドがCoinbaseの手数料収入を減少させる可能性がありますが、取引量の減少がより大きな問題となるでしょう。中期的には、Coinbaseはコスト構造を見直す必要があるかもしれませんが、長期的には、暗号資産市場全体の成長により、新規顧客の獲得や取引手数料、関連サービスからの収益が増加することが期待されます。
しかし、ビットコインETFが普及すると、Coinbaseは市場シェアを維持するために競争が激化することに直面するでしょう。Coinbaseがカストディアンとして選ばれるかどうかに関わらず、より多くのETFが承認されれば、取引量はETFに移行し、Coinbaseはその影響を受けることになります。
このような状況は、Coinbaseにとっては複雑な課題をもたらしますが、同時に新たなビジネス機会も提供しています。ETFのカストディアンとしての役割を強化し、関連サービスを拡充することで、収益源の多様化を図ることが重要です。また、暗号資産市場の成長に伴い、取引所としての地位を確固たるものにするためには、手数料の競争力を保ちつつ、ユーザーにとって魅力的なサービスを提供し続けることが求められます。
from Bitcoin ETFs Pose Risk for Coinbase Stock, Leverage Shares Says.