【ダイジェスト】
オーストラリア連邦裁判所は、シドニーに拠点を置く暗号通貨スタートアップ企業Block Earnerが、ライセンスなしで暗号資産を担保とした固定収益商品「Earner」を提供したとして、無許可の金融サービス行為に関与したと判断しました。しかし、同社のDeFi「Access」サービスに関する申し立ては退けられました。この裁判は、オーストラリアの市場規制機関であるオーストラリア証券投資委員会（ASIC）がBlock Earnerに対して提起したものです。裁判所は、2024年3月1日に予定されている聴聞会でBlock Earnerに科される罰金を決定する予定です。
ASICは、Block Earnerが2022年11月に暗号資産に基づく無許可の固定収益商品を提供したとして訴えを起こしました。Block Earnerは、Coinbaseからの支援を受けており、同月に自主的に「Earner」サービスを撤回しました。
ASICの副委員長であるSarah Courtは、「この重要な判断は、暗号資産を担保とした商品が法律の下でライセンスが必要な金融商品とみなされるべき時を明確にするものである」と述べました。
Block Earnerは、「Access」の提供を続けることができ、「このケースは他の暗号ビジネスに対してDeFiが繁栄する未来への一歩を示す前向きなステップを提供する」と発表しました。
【ニュース解説】
オーストラリアの連邦裁判所は、シドニーを拠点とする暗号通貨スタートアップ企業Block Earnerが提供していた「Earner」という製品について、ライセンスなしで金融サービスを行っていたと判断しました。この製品は、暗号資産を担保にした固定収益を提供するものでした。一方で、同社の提供する分散型金融（DeFi）サービス「Access」に関しては、違法ではないとの判断が下されました。
この裁判は、オーストラリアの市場規制当局であるオーストラリア証券投資委員会（ASIC）がBlock Earnerに対して起こしたものです。ASICは、Block Earnerが無許可で暗号資産を基にした固定収益商品を提供していたと主張していました。Block EarnerはCoinbaseの支援を受けており、訴訟が提起された後、自主的に「Earner」サービスを撤回しました。
この裁判の結果は、暗号資産を担保にした金融商品がライセンスを必要とするかどうかについての法的な指針を提供するものであり、ASICの副委員長はこの判断が重要であると述べています。Block Earnerは「Access」サービスの提供を続けることができ、この裁判はDeFiが繁栄する未来に向けた前向きな一歩として他の暗号通貨ビジネスに対するガイダンスを提供するとしています。
このニュースは、暗号通貨と金融サービスの規制に関する重要な進展を示しています。暗号資産を用いた金融商品が増える中で、どのようなサービスがライセンスを必要とするのか、またどのようなサービスが規制の範囲外にあるのかを明確にすることは、業界にとって非常に重要です。この裁判の結果は、他の暗号通貨関連企業にとっても参考になる判断であり、規制当局との関係をどのように築いていくか、またどのようなビジネスモデルが許容されるのかについての指標を提供します。
また、このような裁判は、暗号通貨業界における法的な枠組みがまだ発展途上であることを示しており、今後も様々な裁判例が業界の発展に影響を与えていくことが予想されます。ポジティブな側面としては、明確な規制が業界の透明性と信頼性を高め、投資家保護に寄与する可能性があります。一方で、厳しい規制がイノベーションを阻害するリスクもあります。規制当局は、保護と発展のバランスを取りながら、適切な規制を策定していく必要があるでしょう。
長期的には、このような裁判が暗号通貨市場の成熟に寄与し、より安定した投資環境を作り出すことが期待されます。しかし、規制の変化に迅速に対応することが、暗号通貨関連企業にとっての大きな課題となるでしょう。
from Australian Judge Hands Split Decision in Market’s Regulator vs Block Earner.
