【ダイジェスト】
ビットコイン(BTC)の価格が52,000ドルまで上昇した主な要因は、米国内の強い需要であることが、Coinbaseでの価格プレミアムから示唆されています。CryptoQuantのデータによると、Coinbaseでのビットコインの価格プレミアムが9か月ぶりの高水準に達し、これは米国投資家からの強い需要を示しています。この価格上昇は、主に米国の取引時間中に発生し、アジアやヨーロッパの取引時間中の価格上昇は控えめでした。
新設されたスポットビットコインETFへの大規模な資金流入が話題となっていますが、米国の暗号通貨取引所CoinbaseでBTCが過去9か月で最高のプレミアムで取引されていることも注目されています。Coinbase Premium Index(Coinbaseと取引量で世界をリードするBinanceとの間のビットコイン価格差を測る指標)は、2023年5月以来の最高値である0.12に達しました。これは、Coinbaseにおける米国投資家の強い買い圧力を示している可能性があります。
10x Researchの創設者であるMarkus Thielenは、ビットコインの価格上昇の大部分が米国の取引時間中に発生したことを指摘しています。「過去30日間で、BTCは+17%上昇し、そのうち11%が米国の取引時間中に発生しました」とThielenは市場レポートで述べています。アジアとヨーロッパの取引時間中の価格上昇は3%にとどまりました。
ビットコインは今週52,000ドルを超え、2021年12月以来初めて市場資本化が1兆ドルを回復しました。スポットBTC ETFは、ほぼ毎日5億ドルの純資金流入を引き寄せています。過去1か月でBTCは22%上昇し、CoinDesk20 Index(CD20)の15%の上昇を上回っています。
【ニュース解説】
ビットコインの価格が52,000ドルに上昇した背景には、米国内での強い需要があることが示されています。具体的には、Coinbaseという米国の暗号通貨取引所でのビットコイン価格が、他の主要取引所であるBinanceと比較して高いプレミアムを記録していることから、この需要が読み取れます。Coinbase Premium Indexという指標が、9か月ぶりの高水準に達したことが、この現象を裏付けています。
この指標の上昇は、Coinbaseを利用する米国投資家によるビットコインの強い買い圧力があることを示しており、特に米国の取引時間中に価格が大きく上昇していることが観察されています。一方で、アジアやヨーロッパの市場ではそれほど大きな価格変動は見られていません。
また、ビットコインの市場資本化が1兆ドルを超えたことや、スポットビットコインETFへの資金流入が増加していることも、価格上昇の要因として挙げられています。これらのETFへの投資は、ビットコインへの直接的な投資を可能にし、市場への新たな資金流入を促進しています。
このような状況は、ビットコインを含む暗号通貨市場における米国投資家の影響力が増していることを示しており、市場の動向を左右する重要な要素となっています。しかし、一方で、特定の地域による需要の偏りは市場のボラティリティ(価格変動の激しさ)を高めるリスクもあります。また、規制当局による監視の強化や、将来的な規制の変更が市場に与える影響も考慮する必要があります。
長期的な視点では、このような強い地域的需要が持続するかどうかは不透明ですが、暗号通貨市場の成熟とともに、より多様な投資家層の参入や、グローバルな流動性の増加が期待されます。これにより、市場の安定性が向上し、暗号通貨が金融市場における一般的な資産クラスとしての地位を確立する可能性があります。
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