JPMorganによると、ビットコインETFとビットコイン価格の間の相関関係が低下しています。1月31日には0.84に達した相関係が、2月7日には0.78、2月22日には0.60にまで低下しました。相関関係が0.70以上であれば「高い相関」とされ、それ以下だと「中程度の相関」とみなされます。
先週、投資家はETFに過去最高の24億ドルを投資し、これまでにBlackRockのIBITとFidelityのFBTCがほぼ110億ドルの資産を集めています。ビットコインの価格が2月初旬に急騰したことが、ETFへの資金流入の増加につながったようです。しかし、最近の価格の安定化が、資金流入の減少に影響を与えている可能性があります。
この情報は、JPMorganの推定とBloomberg Finance L.P.に基づいています。
【ニュース解説】
ビットコインETFとビットコイン価格の相関関係が低下しているというニュースは、金融市場における投資行動の変化を示しています。相関関係とは、二つの資産の価格変動がどれだけ連動しているかを示す指標で、1に近いほど強い正の相関があり、-1に近いほど強い負の相関があります。0に近い場合は、相関がほとんどないことを意味します。
JPMorganの分析によると、ビットコインETFとビットコイン価格の相関係数が1月末の0.84から2月22日には0.60に低下したことが明らかになりました。これは、ビットコインETFへの資金流入とビットコインの価格変動が以前ほど密接に連動していないことを示しています。相関係数が0.70以上であれば「高い相関」とされるため、現在の0.60は「中程度の相関」と考えられます。
ETFへの資金流入が記録的なペースで増加している中、特にBlackRockのIBITとFidelityのFBTCが大きな資金を集めています。ビットコインの価格が2月初旬に急上昇した際には、ETFへの資金流入も増加しましたが、その後の価格の安定化が資金流入の減少につながっている可能性があります。
この相関関係の低下は、投資家がビットコインETFを単なる価格変動の追随者ではなく、独立した投資対象として見始めていることを示唆しているかもしれません。また、ビットコイン市場の成熟や、他の資産クラスとの統合が進んでいることも考えられます。
この変化は、ビットコインと関連金融商品の市場がより複雑になり、多様な投資戦略が可能になっていることを示しています。しかし、相関関係の低下は、市場の不確実性が高まっていることも意味するため、投資家はより慎重なリスク管理を求められるかもしれません。
長期的には、ビットコインETFとビットコイン価格の相関関係の変動は、規制当局による新たな監視や規制の必要性を生じさせる可能性があります。また、市場の透明性や安定性を高めるための新しい金融工具の開発につながるかもしれません。
from Bitcoin ETF Price/Flow Correlation is Declining: JPMorgan.