ビットコインに特化した決済アプリケーションであるStrikeは、アフリカ大陸へのサービス展開を発表しました。同社の創設者兼CEOであるJack Mallersがブログ投稿で明らかにしたところによると、「Strike Africa」はガボン、コートジボワール、マラウイ、ナイジェリア、南アフリカ、ウガンダ、ザンビアにビットコインサービスを展開し、将来的にはさらに多くのアフリカ市場への進出を計画しています。
シカゴに拠点を置くスタートアップZapによって開発されたStrikeは、Cash AppやVenmoのようなモバイル決済アプリケーションですが、ブロックチェーン技術を使用してお金の送受信を行います。同社は当初、アメリカとエルサルバドルでサービスを開始し、昨年、アフリカだけでなくラテンアメリカ、アジア、カリブ海諸国を含む65カ国以上への拡大計画を発表しました。
Strike Africaは、ビットコイン(BTC)とTetherのドル安定通貨(USDT)の購入と販売、現地法定通貨のオンランプとオフランプ、そしてビットコインのライトニングネットワークを活用したグローバル決済を顧客に提供します。これにより、送金や国境を越えた支払いにおいて、安価で迅速な取引が可能になります。
高いインフレ率と脆弱な金融システムに悩む発展途上国では、ビットコイン(BTC)と安定通貨が貯蓄や送金手段としてますます需要が高まっています。特にアフリカ最大の市場であるナイジェリアでは、デジタル資産への転換が進んでおり、地元通貨の価値下落に対するヘッジとして人々がこれらを利用しています。ナイジェリアのナイラは、今月、米ドルに対してほぼ50%もの価値を失いました。
Strikeのブログ投稿では、「アフリカは金融イノベーションと経済的自由にとって莫大な機会を提供している」と述べられています。「大陸の多くの国々が高いインフレ率と通貨の価値下落に直面しており、人々が貯蓄を行い、富を築くことが困難になっている」とのことです。
【ニュース解説】
アフリカ大陸において、経済的な課題が多くの国で顕在化しています。特に高いインフレ率と通貨価値の下落は、人々の貯蓄や資産形成を困難にしており、このような状況の中で、ビットコインを中心としたデジタル通貨が注目されています。この背景を受けて、ビットコインに特化した決済アプリケーション「Strike」がアフリカへのサービス展開を発表しました。これにより、アフリカの人々は、ビットコインや安定通貨を利用した貯蓄や送金、さらには国際決済の手段として、Strikeを活用することが可能になります。
Strikeのサービスは、ブロックチェーン技術を活用しており、ビットコインのライトニングネットワークを通じて、低コストで迅速な取引を実現します。これは、特に国際間の送金において、従来の銀行システムよりも手数料が低く、速度が速いというメリットがあります。また、現地通貨との交換(オンランプ・オフランプ)もサポートされており、ユーザーは自国通貨でビットコインやUSDT(Tetherのドル安定通貨)を購入・販売することができます。
このようなサービスの提供は、アフリカの経済状況に大きな影響を与える可能性があります。通貨の価値が不安定な国々では、ビットコインや安定通貨が価値保存手段としての役割を果たし、経済的自由を追求する手段となり得ます。また、国際的なビジネスや取引においても、より効率的な決済手段を提供することで、アフリカの市場がグローバルな経済により緊密に結びつくことが期待されます。
しかしながら、デジタル通貨の普及にはリスクも伴います。価格の変動性やセキュリティの問題、規制の不確実性などが挙げられます。アフリカの各国政府は、デジタル通貨の利用に関する規制を整備する必要があり、そのバランスを取ることが求められます。また、デジタルリテラシーの向上やインフラの整備も、サービスの普及には不可欠です。
長期的には、Strikeのようなサービスがアフリカで広く受け入れられることで、金融の包摂性が向上し、経済発展に寄与する可能性があります。デジタル通貨が持つ国境を越えた性質は、アフリカの多様な経済環境において、新たな機会を生み出すことでしょう。
from Bitcoin-Focused Payments App Strike Rolls Out Services to Africa.