ShapeShift、SECとの訴訟で27万5000ドルの罰金を支払い和解
ShapeShiftは、米国証券取引委員会(SEC)との間で、証券法違反の疑いに関する訴訟を和解し、27万5000ドルの罰金を支払うことに同意しました。この和解は、ShapeShiftが2021年に運営をDAO(分散型自律組織)に移行し、所有構造を分散化した後もなされました。ShapeShiftは罪を認めることも否定することもありませんでした。
SECの委員であるHester PeirceとMark Uyedaは、この和解に対して厳しい批判を行いました。彼らは、ShapeShiftが現在どのように運営されているかが合法であるかどうかについて、和解が明確にしていないと指摘しました。また、もはや運営されていないビジネスに対して「ディーラー」として登録することを強制したことに疑問を呈しました。
2014年から2021年にかけて、ShapeShiftはクライアントに対して暗号通貨を購入・販売し、スプレッドから利益を得ていました。SECは、このビジネスモデルをクライアントに対してShapeShiftが取引を行っているとみなしましたが、PeirceとUyedaはSECが「害を主張していない」と述べました。
SECの委員たちは、ShapeShiftがどのようにしてSECが暗号資産を一般的に、そして特定の暗号資産を投資契約の形で証券とみなすかを判断するべきだったのかが全く不明であると批判しました。さらに、SECがShapeShiftが違法にリストアップしたとされる資産について具体的に言及せず、その理由を説明しなかったことも指摘しました。
この和解は、SECが暗号通貨企業に対して「手を打つ」戦略の一環である可能性があり、将来の訴訟や進行中の訴訟において先例を築くことを目的としていると業界出版物Protosは報じています。
PeirceとUyedaは、「このようなケースは投資家を保護するのではなく、革新者や起業家を威圧する」と述べています。
【ニュース解説】
暗号通貨取引所であるShapeShiftが、アメリカの証券取引委員会(SEC)との間で訴訟を和解し、27万5000ドルの罰金を支払うことに同意したというニュースがあります。この和解は、ShapeShiftが運営構造を分散型自律組織(DAO)に移行した後も行われたもので、同社は罪を認めることも否定することもしていません。
この和解に対して、SECの委員であるHester PeirceとMark Uyedaは批判的な意見を表明しています。彼らは、和解がShapeShiftの現在の運営が合法かどうかについて明確にしていないと指摘し、また、運営が終了したビジネスに対して「ディーラー」としての登録を強制したことに疑問を呈しています。
SECは、ShapeShiftがクライアントに対して暗号通貨を売買していたビジネスモデルを問題視しましたが、PeirceとUyedaはSECが実際にどのような害を主張しているのかを明確にしていないと述べています。さらに、SECがどの暗号資産を証券とみなすかについても不透明であり、その理由も説明していないと批判しています。
この和解は、SECが暗号通貨企業に対して軽微な罰金を科すことで、将来の訴訟における先例を築く戦略の一環である可能性が指摘されています。PeirceとUyedaは、このようなケースが投資家を保護するのではなく、革新者や起業家を威圧するものであるとの見解を示しています。
このニュースは、暗号通貨業界における規制の不透明さと、革新的なビジネスモデルに対する法的な挑戦が続いていることを示しています。SECのアプローチが、業界の成長と発展にどのような影響を与えるかは、今後の議論と規制の動向によって明らかになるでしょう。また、このような和解が他の暗号通貨企業に対する規制当局の対応の指標となる可能性もあります。一方で、SECの指針が明確でないことが、業界のイノベーションを阻害するリスクをはらんでいることも、業界関係者や規制当局の間で懸念されています。
from Shapeshifting Justice: The SEC’s Weakest Case Yet.