ナイジェリアの証券取引委員会(SEC)は、国内の暗号資産(クリプト)業界に対する監督料金を大幅に引き上げることを提案しました。この提案は、ナイジェリアの通貨ナイラが対ドルで過去最低値を更新する中、政府がクリプト業界を違法な資本流出の促進者として非難している背景があります。
SECは、クリプト関連企業の登録料を現行の30百万ナイラ(約64万円)から150百万ナイラ(約384万円)へと400%増加させることを提案しています。また、申請料も100,000ナイラ(約6,400円)から300,000ナイラ(約19,200円)へと増額することが提案されています。
さらに、クリプトサービス提供者に対する最低自己資本要件を、現行の5億ナイラから10億ナイラへと倍増させることも提案されています。
これらの提案は、ナイジェリア中央銀行との最近の協議を踏まえ、市場への明確性を提供し、業界関係者からの提案を取り入れるためのものです。SECは、特にBinanceという取引プラットフォームを指摘し、ナイラの交換レート設定に関与していると非難しています。ナイジェリア政府は、Binanceの2人の幹部を拘束し、同社に対して重い罰金を科すことを検討していると報じられています。
これらの規制変更の提案は、ナイジェリアにおけるクリプト業界へのさらなる規制強化を示しています。
【ニュース解説】
ナイジェリアの証券取引委員会(SEC)が、国内の暗号資産(クリプト)関連企業に対する登録料と申請料を大幅に引き上げることを提案したというニュースが報じられました。この提案は、ナイジェリアの通貨であるナイラが米ドルに対して過去最低値を更新する中で行われ、政府はクリプト業界が違法な資本流出を促進していると非難しています。具体的には、クリプト企業の登録料を現行の30百万ナイラから150百万ナイラへ、申請料を100,000ナイラから300,000ナイラへとそれぞれ引き上げることが提案されています。また、クリプトサービス提供者の最低自己資本要件も5億ナイラから10億ナイラへと倍増することが提案されています。
このような規制の強化は、ナイジェリア政府がクリプト業界に対してより厳しい姿勢を取ることを示しており、特に大手取引プラットフォームであるBinanceがナイラの交換レート設定に関与しているとして非難されています。これにより、Binanceの幹部が拘束されるなど、同社に対する圧力が高まっている状況です。
この提案が実施されれば、ナイジェリアで事業を行うクリプト関連企業は、大幅に増加した費用を負担する必要があります。これは、新規参入者にとっての障壁が高まることを意味し、既存の企業にも大きな財務的負担を強いることになるでしょう。また、業界全体の成長にブレーキをかける可能性があり、投資家や利用者にとってもサービスの選択肢が限られることになるかもしれません。
一方で、政府としては、クリプト業界を通じた資本の不正流出を防ぐための措置として、これらの規制強化を正当化しています。また、市場への明確性を提供し、業界関係者からの提案を取り入れるという目的もあるとされています。
しかし、このような規制の強化は、ナイジェリアのクリプト業界にとって大きな挑戦となるでしょう。また、規制の厳格化は、クリプト業界のイノベーションを阻害し、国際的な競争力を低下させるリスクもはらんでいます。長期的には、ナイジェリアがクリプト業界のグローバルな動向から取り残される可能性も考えられます。規制当局は、業界の成長とリスク管理のバランスを取ることが求められています。
from Nigeria's SEC Proposes 400% Increase to Crypto Firm Registration Fees.