バイナンスのコンプライアンス責任者であるティグラン・ガンバリャンがナイジェリア当局に拘留されている件について、バイナンスはガンバリャン氏が同社での意思決定権を持っておらず、ナイジェリア政府との進行中の話し合いにおいて責任を負うべきではないと声明を発表しました。ナイジェリア当局は2月にガンバリャン氏とアフリカ地域マネージャーのナディーム・アンジャルワラ氏を拘留し、バイナンスおよび両エグゼクティブに対して税逃れの容疑をかけています。
アンジャルワラ氏は3月に拘留から逃れたと報じられています。その頃、ナイジェリアの税務当局はバイナンスと2人のエグゼクティブに対して税逃れの容疑で訴えを起こしました。ガンバリャン氏とアンジャルワラ氏は、自身の人権が侵害されたとしてナイジェリアの首都アブジャの連邦高等裁判所に訴えを起こしています。地元のニュースメディアによると、裁判所は4月4日に2人のエグゼクティブ(アンジャルワラ氏は欠席中)を起訴する予定です。
ナイジェリア政府はバイナンスが国内で違法に運営しており、ナイジェリアナイラの為替レートを操作していると非難しています。これを受けて、バイナンスはナイラサービスの提供を中止すると発表しました。
【ニュース解説】
バイナンスのコンプライアンス責任者であるティグラン・ガンバリャン氏がナイジェリアで拘留されている問題に関して、バイナンスはガンバリャン氏が会社内での意思決定権を持たないため、ナイジェリア政府との話し合いにおいて責任を負うべきではないとの立場を明らかにしました。ナイジェリア当局は、バイナンスとその幹部二人に対して税逃れの容疑をかけており、この件に関しては法的な対応が進行中です。
この事件は、暗号通貨取引所として世界的に展開するバイナンスが、ナイジェリアでの税務問題に直面していることを示しています。ナイジェリア政府はバイナンスが違法に運営していると非難し、ナイラの為替レートを不正に操作しているとしています。これに対し、バイナンスはナイラを使用したサービスの提供を停止すると発表しています。
このような状況は、暗号通貨業界における規制の重要性を浮き彫りにしています。国によって異なる法律や税制を遵守することは、国際的に事業を展開する企業にとって大きな課題です。特に、暗号通貨のような国境を越えて取引される資産に関しては、その透明性と規制への適応が求められます。
この事件が示すポジティブな側面は、暗号通貨取引所がより厳格なコンプライアンス体制を構築するきっかけになる可能性があることです。一方で、潜在的なリスクとしては、規制当局との対立がビジネスの運営に悪影響を及ぼすことや、市場の信頼性が損なわれることが挙げられます。
長期的な視点では、このような事件は暗号通貨業界における規制の整備を加速させる可能性があります。規制が整備されれば、業界の透明性が高まり、投資家保護が強化されることで、暗号通貨市場の健全な成長が期待できるでしょう。また、国際的な規制の調和が進むことで、企業が異なる国の法律に適応する際の負担が軽減される可能性もあります。
from Binance Says Compliance Chief Detained in Nigeria Has No Decision-Making Power at Firm.