米国下院金融サービス委員会の議長であるパトリック・マクヘンリー議員は、米国証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長が、イーサリアム(ETH)に関する政策について議会を誤解させたと非難しています。マクヘンリー議員によると、ゲンスラー委員長はSECがETHを証券と見なしているという事実を既に知っていながら、証言中にその見解について話し合うことを拒否したとのことです。
この問題は、ETHが証券として登録され、SECによって規制されるべきかどうかという、米国におけるデジタル資産の監督に関する大きな疑問の一つです。この問題は複数の法的な戦線で争われています。コンセンシスがSECに対して提起した新たな訴訟の文書では、ゲンスラー委員長が2023年4月に証言した数日前に、SECがETHの性質について調査を進めていたことが記述されています。
SECの調査マニュアルによると、調査は連邦証券法に違反があったか、または違反が発生している可能性があるかを判断するために適切で必要であるとされていますが、それ自体が結論ではないため、SECがETHをどのように分類すべきかについて正式な決定を下しているわけではありません。
SECの広報担当者は、マクヘンリー議員の非難に対するコメントの要請にすぐには応じていません。
【ニュース解説】
米国証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長が、イーサリアム(ETH)に関する自身の見解について議会に誤解を与えたとして、下院金融サービス委員会のパトリック・マクヘンリー議長から非難されています。マクヘンリー議員は、SECがETHを証券と見なしていることを知りながら、ゲンスラー委員長が議会証言でその見解を明らかにしなかったと指摘しています。この件は、ETHが証券としてSECによって登録・規制されるべきかどうかという、アメリカのデジタル資産監督における重要な問題です。
SECがETHの性質について調査を行っていたことは、コンセンシス社がSECに対して提起した訴訟の文書で明らかにされました。SECの調査は、連邦証券法違反があったかどうかを判断するためのものであり、調査自体がETHの分類に関する正式な決定ではないとされています。しかし、SECがETHを証券と見なす可能性があるという事実は、仮想通貨業界に大きな影響を与える可能性があります。
このニュースが示唆するのは、SECがイーサリアムを含む仮想通貨の法的な分類について慎重な立場を取っていることです。ETHが証券と分類される場合、多くの他のトークンも同様の定義に該当する可能性があり、それによって仮想通貨市場におけるプロジェクトの運営や資金調達の方法に大きな変更が生じることになります。また、投資家保護の観点からは、SECによる明確なガイドラインが提供されることで、市場の透明性が向上し、投資家がより情報に基づいた意思決定を行えるようになるというポジティブな側面もあります。
一方で、ETHを含む仮想通貨が証券として分類されることによる潜在的なリスクも存在します。例えば、証券法の適用を受けることにより、仮想通貨の発行や取引に関する規制が厳格化され、イノベーションの抑制や市場参加者の負担増加が懸念されます。また、国際的な規制の違いにより、仮想通貨市場が断片化し、グローバルな取引が困難になる可能性もあります。
将来的には、SECの方針や法的な分類が確定することで、仮想通貨市場の成熟と安定化が進むと期待されますが、その過程で多くの議論や調整が必要になるでしょう。規制当局、業界関係者、投資家が協力し、バランスの取れた規制環境を構築することが、健全な市場発展には不可欠です。
from House's McHenry Accuses SEC Chief Gensler of Misleading Congress on Ethereum.