スティーブン・コーエンが率いる34億ドル規模のヘッジファンド、Point72は、第1四半期にFidelity Wise Origin Bitcoin Fund(FBTC)に7750万ドルを投資したことが明らかになりました。これにより、Point72はポール・シンガーのElliott CapitalやIzzy EnglanderのMillennium Managementなど、スポットビットコインETFに投資を公表した複数のヘッジファンドに加わりました。Millennium Managementは、3月31日時点で約20億ドルを投資し、新しいファンドの最大の機関投資家となっています。
アメリカのトップ25ヘッジファンドのうち、13社が第1四半期にこれらのETFに投資したことが、ビットコインブローカー会社Riverによってまとめられたデータで明らかにされました。これらのファンドには、Fortress Investment GroupやSchonfeld Strategic Advisorsなどが含まれます。
ヘッジファンドによるスポットETFの購入は、単に価格上昇を見込んだ長期投資だけでなく、マーケットメイキング、ヘッジ、収益生成、短期的な売買など、様々な理由で行われている可能性があります。
【ニュース解説】
スティーブン・コーエンが率いるPoint72というヘッジファンドが、ビットコインに関連する金融商品であるスポットビットコインETFに7750万ドルを投資したことが報告されました。この動きは、他の大手ヘッジファンドも同様の投資を行っており、特にMillennium Managementは約20億ドルを投資して最大の機関投資家となっています。
スポットビットコインETFとは、ビットコインの実際の価格に追随するように設計された上場投資信託です。これにより、投資家はビットコインを直接購入することなく、株式市場を通じてビットコインに投資することができます。このような金融商品は、ビットコインへのアクセスを容易にし、暗号資産市場への参入障壁を低減します。
ヘッジファンドがスポットビットコインETFに投資する理由は多岐にわたります。価格上昇を見込んだ長期投資のほか、市場の流動性を提供するマーケットメイキング、他の投資とのバランスを取るためのヘッジ、収益を生み出すための金融工学的な手法、あるいは短期的な価格変動を利用した取引などが考えられます。
このような投資動向は、ビットコインやその他の暗号資産が、従来の金融市場においても一定の認知と受容を得ていることを示しています。また、大手機関投資家の参入は、暗号資産市場の成熟度を高め、市場の安定性や信頼性を向上させる可能性があります。
しかし、暗号資産市場は依然として高いボラティリティ(価格変動の激しさ)を持ち、規制の不確実性も残っています。これらの要因は、投資リスクを高める可能性があるため、機関投資家は慎重な投資戦略を取る必要があります。
将来的には、このような機関投資家による投資が増えることで、暗号資産市場がより一般的な投資市場としての地位を確立するかもしれません。また、市場の成長に伴い、規制当局も適切な規制フレームワークを整備することが求められるでしょう。これにより、投資家保護が強化され、市場の透明性が向上することが期待されます。
from Steven Cohen's Point72 Also an Owner of Bitcoin Via Spot ETFs.