米国に上場しているビットコイン(BTC)マイナーの総市場価値が6月に228億ドルに達し、記録を更新したとJPMorganが発表しました。この報告によると、ビットコインマイニング株は6月の前半にビットコインを上回るパフォーマンスを見せ、投資家がCore ScientificとAI企業CoreWeaveとの取引に好反応したことが要因です。
JPMorganが追跡する14の米国上場ビットコインマイナーの総市場価値は6月15日に記録的な高さに達しました。ほぼ全ての企業がビットコインを上回り、中でもCore Scientificが117%の増加を見せた一方で、Argo Blockchainは7%の減少を記録しました。同期間中、ビットコイン自体は3%の下落を見せました。
ビットコインマイニング株は、Core ScientificのCoreWeaveとの取引ニュースに対する投資家の好反応により、月の前半に上昇しました。また、マイニングの難易度は4月の報酬半減以降、引き続き下降しています。
米国に上場しているマイナーは、グローバルネットワークのハッシュレートのシェアを2か月連続で増加させ、14社合計でグローバルネットワークハッシュレートの約23.8%を占めるようになりました。これは前月に比べて約1%の増加です。
これは、米国のマイナーにとってネットワークハッシュレートが2か月連続で増加したことを示し、報酬半減後に非効率的な民間オペレーターが運用を縮小したことが好ましい兆候であるとJPMorganは指摘しています。
【ニュース解説】
米国に上場しているビットコインマイナー企業の総市場価値が、2024年6月に228億ドルに達し、新たな記録を樹立したという報告がJPMorganから発表されました。この市場価値の増加は、特にCore Scientificという企業がAI企業CoreWeaveとの取引を発表したことによる投資家の好反応が背景にあります。ビットコイン自体の価格は下落傾向にある中、ビットコインマイニング企業の株価は好調を維持しており、特にCore Scientificは117%の増加を記録しました。一方で、Argo Blockchainは7%の減少を見せています。
ビットコインマイニングの難易度は、4月に行われた報酬の半減(ハービング)以降、下降傾向にあります。これは、マイニングに必要な計算量が減少していることを意味し、マイニングにかかるコストが低下する可能性があります。また、米国に上場しているマイナー企業は、グローバルなネットワークハッシュレートのシェアを増やし続けており、これは米国のマイニング業界が競争力を高めていることを示しています。
このニュースは、ビットコインマイニング業界における米国企業の地位の強化を示しています。ビットコインマイニングは、新たなビットコインを生成するために膨大な計算処理を行うことであり、その過程でビットコインネットワークのトランザクションを検証し、セキュリティを維持する役割も果たしています。マイニング企業の市場価値が増加することは、投資家がこの産業の将来性を高く評価していることを意味し、業界全体の成長に対する信頼の表れと言えるでしょう。
しかし、マイニング業界の成長は、エネルギー消費の増大という環境問題を引き起こす可能性もあります。そのため、再生可能エネルギーの利用拡大や効率的なマイニング技術の開発が、業界の持続可能性を高めるために重要です。また、ビットコインの価格変動や規制の変化によるリスクも常に存在し、マイニング企業の経営に影響を与える可能性があります。
長期的な視点では、ビットコインマイニング業界の成長は、デジタル通貨の普及とブロックチェーン技術の進化に寄与する可能性があります。しかし、その一方で、業界の集中化が進むことによる中央集権化の懸念や、マイニングに関連する規制の強化が予想されます。これらの要因は、今後のビットコインマイニング業界の動向を左右する重要なポイントとなるでしょう。
from U.S.-Listed Bitcoin Miners Reached Record Total Market Cap of $22.8B in June: JPMorgan.