The Registerが2025年5月19日に報じたところによると、LastOSというLinux Mintをベースにした新しいディストリビューションが登場した。このディストリビューションは、Windows 10のサポート終了(2025年10月14日)を前に、Windows 11にアップグレードできないマシンを使用しているユーザー向けの代替OSとして開発されたものである。
LastOSの最新バージョンは2025.03で、Linux Mint 22.1「Xia」(Ubuntu 24.04.1 LTSベース)をカスタマイズし、Cinnamonデスクトップバージョン6.4.8を採用している。特徴的な点として、ネオン調のGUI、青みがかった陰陽シンボルのスタートメニュー、Conkyシステムモニターなど、視覚的に派手なカスタムテーマを採用している。
Windows 10のサポート終了(2025年10月14日)が迫る中、Windows 11へのアップグレードが困難なPCを持つユーザーにとって、Linuxディストリビューションは魅力的な選択肢となりつつあります。今回ご紹介する「LastOS」は、そうした状況を背景に登場した、Linux Mintをベースとする個性的なディストリビューションです。海外メディアThe Registerの記事などを元に、その特徴と可能性、そして注意点を掘り下げます。
鮮烈なビジュアルとWindowsユーザーへの配慮
LastOSの最新版は、安定性に定評のあるLinux Mint 22.1「Xia」(Ubuntu 24.04 LTSベース、Cinnamon 6.4デスクトップ環境採用)を基盤としています。しかし、その見た目は標準のLinux Mintとは一線を画し、ネオン調のGUI、青みがかった陰陽シンボルのスタートメニューアイコン、Conkyシステムモニターなど、視覚的に際立つカスタムテーマが特徴です。これは、長年Windowsに親しんだユーザーが新しい環境へ移行する際の心理的なハードルを下げる意図があるのかもしれません。
The RegisterはLastOSについて報じており、それによると、Adobe Photoshop CC 19(2018年版)がLL Storeを通じてインストール・実行できたとされています。これが事実であれば、WINEの進化とLastOSのカスタマイズによって、専門的なWindowsソフトウェアの利用というLinux移行の大きな障壁が、特定の条件下では乗り越えられる可能性を示唆しています。
The Registerのレビューでは、LastOSを「個人的で特異なプロジェクト」と評し、アプリケーションの選択やウェブサイト・READMEファイルの記述に一貫性が見られない部分も指摘されているようです。しかし、もし「LL Store」に必要なツールが揃っており、そのユニークな機能がユーザーのニーズに合致するならば、魅力的な選択肢になり得るとも結論付けています。
Linux Mint 22.1「Xia」の安定した基盤
LastOSの土台となっているLinux Mint 22.1「Xia」は、2025年1月16日にリリースされた長期サポート(LTS)版で、Ubuntu 24.04 LTSをベースにLinuxカーネル6.8を搭載しています。2029年4月までの長期サポートが提供されるため、安定した動作が期待できます。システム要件は、64ビット対応PC、2GBのRAM(4GB推奨)、20GB以上のディスク空き容量(100GB推奨)、1024×768以上の画面解像度と、比較的古いPCでも動作する可能性があります。
Windows 10サポート終了という節目は、多くのユーザーにとってOSの選択肢を再考する機会となります。LastOSのような挑戦的なディストリビューションの登場は、技術の進化がLinuxへの移行ハードルを徐々に下げていることを示す好例です。こうした多様な選択肢の中から、自身のスキルや目的に合ったものを見つけ出すことが、これからのPC利用において重要になるでしょう。
【用語解説】
Linux Mint: Ubuntuをベースにした人気の高いLinuxディストリビューション。特にWindowsユーザーが移行しやすいよう設計されている。DistroWatchで最も人気のあるディストリビューションの一つである。
Cinnamon: Linux Mintの主要デスクトップ環境。GNOMEからフォークされたもので、伝統的なデスクトップレイアウトとモダンなグラフィック効果を備えている。Windowsに似た操作感が特徴。
WINE: Windows Is Not Emulatorの略。LinuxなどのUNIX系OS上でWindowsアプリケーションを動作させるためのオープンソースソフトウェア。WindowsのAPIをLinux上に実装することでアプリケーションを動作させる。
観光戦略については「bridge plus tourism(橋プラス観光)」モデルが興味深い試みです。世界最高のバンジージャンプ台やガラス製エレベーターの設置は、単なる通行インフラを体験型観光資源に転換する発想です。これは中国が近年推進している「infrastructure tourism(インフラツーリズム)」の進化形と捉えられます。