Apple Inc.は2025年7月31日の決算発表で、iPhoneの累計出荷台数が30億台に達したと明らかにした。2025年度第3四半期(4月〜6月)の売上は940億ドルで前年比10%増、1株当たり利益は1.57ドルだった。 iPhone売上は445億8000万ドルで前年比13%増、サービス部門は274億2000万ドル、Macは80億5000万ドル、iPadは65億8000万ドル、ウェアラブル・ホーム・アクセサリーは74億ドルとなった。
From: Apple Hits 3 Billion iPhones Shipped in $94B Q3 2025 Earnings
【編集部解説】
iPhone累計30億台は、モバイル端末が社会インフラ化した現在でも勢いが衰えていないことを示す象徴的な数字です。10億台目到達まで9年かかったのに対し、20億台から30億台までは4年で達成しており、成熟段階に入った製品の成長曲線としては異例といえます 。
成長を支えるのは、iPhone 16シリーズの需要とApple Intelligenceを核としたAI統合です。AppleはWWDC25で発表した新機能を早くもiOS 26へ組み込み、デバイスとサービスの連携を強化しています。これにより、ハードウェア単体の販売からサブスクリプションを含むエコシステム収益へと重心を移す戦略が鮮明になりました。
地政学リスクへの対応として、インド生産比率を2028年までに25%へ引き上げる計画が進行中です。インドは消費市場としても成長が見込まれ、製造と需要の両面でAppleの次の成長ドライバーとなり得ます。一方で、米国の対中関税再強化に伴うコスト増は、第3四半期8億ドル、第4四半期11億ドルと試算されており、サプライチェーン分散の成否が注目されます。
投資家は高い利益率を好感しつつも、MicrosoftやNvidiaが主導する生成AI競争でAppleが持続的優位を保てるかを注視しています。 Apple Intelligenceがユーザー体験の深部に入り込めるなら、次の40億台も視野に入るでしょう。
【用語解説】
Apple Intelligence オンデバイス処理とクラウド処理を組み合わせたAppleの個人向けAI基盤。
Private Cloud Compute 機密データを保護しながらクラウドで高負荷AI演算を行う仕組み。
NPI(New Production Introduction) 試作から量産体制確立までを管理する製造プロセス。
Foxconn 台湾・鴻海精密工業。Apple最大のiPhone組立パートナー。
関税 輸入品に課される税。Appleは対中追加関税で四半期ベース最大11億ドルのコスト増を見込む。
【参考リンク】
Apple Inc. (外部)アメリカの多国籍テクノロジー企業公式サイト。製品情報と決算資料を掲載。
Apple Intelligence (外部)Appleの個人向けAIシステム公式ページ。機能とプライバシー保護技術を紹介。
Apple Newsroom (外部)Appleの公式報道発表サイト。決算情報や製品発表を配信。
【参考動画】
【参考記事】
Apple reports third quarter results (外部)Apple公式決算発表。売上940億ドル、各部門売上の詳細データを掲載。
Apple has now sold over 3 billion iPhones (外部)Tim Cook CEOによる30億台達成発表と成長ペース加速の詳細分析。
Apple reports biggest revenue growth (外部)CNBCによる決算分析。2021年12月以来最高の売上成長率を詳述。
Apple has now shipped 3 billion iPhones (外部)TechCrunchの30億台達成分析。市場競争と今後の成長戦略を考察。
【編集部後記】
30億台の節目を迎えた今、みなさんは次のiPhoneにどんな期待を抱きますか。AIが日常の意思決定を助け、端末がより個人化される未来は目前です。インド発の”メイド・イン・iPhone”が当たり前になる日も遠くありません。ぜひコメントで、AI機能や製造拠点シフトについての視点を共有していただけると嬉しいです。
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