マイクロソフトとASUSが共同開発した携帯ゲーム機「ROG Xbox Ally」と「ROG Xbox Ally X」が6月8日(現地時間、日本時間6月9日)のXbox Games Showcaseで発表された。2025年ホリデーシーズンに日本を含む27か国で発売予定である。
ROG Xbox AllyはAMD Ryzen Z2 Aプロセッサー、16GB LPDDR5X-6400メモリ、512GB M.2 2280 SSD、60Whバッテリーを搭載し、重量は670gである。上位モデルのROG Xbox Ally XはAMD Ryzen AI Z2 Extremeプロセッサー、24GB LPDDR5X-8000メモリ、1TB M.2 2280 SSD、80Whバッテリーを搭載し、重量は715gとなる。
両モデルとも7インチ1080p 120Hz IPS液晶ディスプレイ、FreeSync Premium、Corning Gorilla Glass Victus保護ガラス、DXC反射防止コーティングを採用している。ROG Xbox Ally XにはインパルストリガーとUSB4ポート(Thunderbolt 4対応)が搭載され、通常モデルはホールエフェクトアナログトリガーとUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポートを装備する。
操作系はXboxワイヤレスコントローラーと同じ設計思想に基づく輪郭グリップ、ABXY配置、非対称アナログスティック配置を採用している。Windows 11 Homeを搭載し、Xbox Game Pass、Steam、Battle.net、Ubisoft Connectなど主要PCゲームプラットフォームに対応する。Xbox Play Anywhereにより1000種類以上のゲームがプレイ可能で、Xbox Game Pass向けには「Hollow Knight: Silksong」が発売日から提供される。
マイクロソフトとASUSによる「ROG Xbox Ally」シリーズの発表は、携帯ゲーム機市場における戦略的転換点を示しています。この製品は単なるハードウェアの進化を超えて、ゲームエコシステム全体の統合という野心的な試みを体現しています。
従来の携帯ゲーム機は、任天堂のような独自プラットフォームか、Steam DeckのようなPC互換機という二つの方向性に分かれていました。しかし、ROG Xbox Allyは「手で持てるXbox」というコンセプトのもと、XboxとWindowsの両方の利点を融合させた第三の選択肢を提示しています。これにより、ユーザーはXbox Game Pass、Steam、Battle.net、Epic Games Storeなど、複数のプラットフォームに単一デバイスからアクセス可能となります。
市場への影響を考えると、この製品は任天堂の携帯ゲーム機市場における独占的地位に対する本格的な挑戦状と言えます。Nintendo Switch 2との直接比較では、ROG Xbox Allyの方が明らかに高性能ですが、価格帯や対象ユーザー層は大きく異なります。既存のROG Allyシリーズが599-799ドルで販売されていることを考慮すると、ROG Xbox Allyシリーズも同様の価格帯になる可能性が高く、より本格的なゲーマーをターゲットとしています。