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最先端ARグラス「XREAL One」の拡張デバイス「XREAL Eye」体験レポート

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 - innovaTopia - (イノベトピア)

3人のライターが語る、日常を変える新しい体験

最先端のARグラス「XREAL One」の拡張デバイス「XREAL Eye」がついに登場しました。日常や仕事、エンタメ体験をどのように変えてくれるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。今回は、実際にXREAL Eyeを使ってみた3人のライターが、それぞれの体験を語り合う座談会を開催しました。ぜひ皆様の参考になればと思います。

XREAL Eyeって?

XREAL EyeとはXREAL社が販売しているARグラス「XREAL One」をさらに進化させる拡張デバイスです。このデバイスを取り付けることで撮影や録画、6DoF機能が解放されます。空間アンカー機能(ARグラス内に表示される仮想スクリーンやオブジェクトを、現実空間の特定の位置に「固定」できる技術)など新たな体験ができるようになります。


【体験レポート①】撮影機能を試してみた|ライターまお

前回のXREAL動画視聴体験に続き、今回はXREAL Eyeの撮影機能を実際に試してみました。近所の公園で撮影テストを行い、その使い勝手と画質について詳しくレポートします。

装着感と外出時の使用感

ARグラスを装着したまま外を歩いてみましたが、想像以上に快適でした。見た目が普通のサングラスとほぼ変わらないため、人目を気にすることなく使用できるのは大きなメリットです。お出かけ先での使用も十分現実的だと感じました。

撮影操作の簡単さ

撮影方法は驚くほどシンプルです。XREAL Oneの右側上部にあるボタンを軽く押すだけで、画面にフレームが表示され、数秒後にシャッター音と共に写真が保存されます。

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赤丸の部分です

動画撮影の場合は、同じボタンを長押しするとフレームが表示され、録画時間が画面に表示されます。録画を停止するには再度ボタンを押すだけです。動画視聴中でも瞬時に撮影モードに切り替わるため、突発的な撮影チャンスを逃すことがありません。

画質について

画質は「非常に優秀」というほどではありませんが、Eyeのコンパクトなサイズを考慮すると実用的なレベルで、十分満足できる仕上がりでした。

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動画撮影での新しい発見

動画撮影では特に興味深い体験がありました。普段スマートフォンで動画を撮る際は立ち止まって撮影することが多いのですが、XREAL Eyeでは頭の動きに合わせて自然に動く映像が撮れるため、これまでにない新鮮な画角の動画を楽しめました。

制限事項と改善点

動画撮影時間が最大1分という制限があるのは、やや物足りなさを感じる点です。おそらく内蔵容量の都合と思われますが、もう少し長時間の撮影ができれば更に便利になるでしょう。

プライバシー配慮について

見た目が普通のサングラスであるため、周囲の人は撮影されていることに気づかない可能性があります。プライバシー保護の観点から、シャッター音を消すことはできない仕様になっているものの、初めて遭遇する人は突然聞こえるシャッター音に驚くかもしれません。

総評

画質は最高レベルではないものの、突発的な撮影機会に対応できる利便性は確実にあります。特に動画撮影での新しい視点は、従来のスマートフォン撮影では得られない魅力的な体験でした。日常のちょっとした瞬間を記録するデバイスとして、XREAL Eyeは十分に実用的だと評価できます。


【体験レポート②】音楽体験の新次元|ライターさつき

今回は、XREAL OneにXREAL Eyeを装着することで実現した、革新的な音楽体験についてレビューします。

ライブパフォーマンスの課題を解決する新技術

ライブ演奏において、足元のエフェクターボードの設定管理は演奏者にとって常に大きな負担となっています。曲ごとに異なる複雑な設定をすべて記憶し、適切なタイミングで切り替えることは、特に長時間のライブや頻繁に変わるセットリストでは困難を極めます。一度の設定ミスが演奏全体のクオリティに影響を与えかねないため、多くの演奏者が抱える共通の悩みでした。

しかし、XREAL OneとXREAL Eyeの組み合わせが、この長年の課題を劇的に解決します。最新の空間アンカー機能により、エフェクターボードの横に設定情報を表示することが可能になり、これは単なる技術的進歩を超えた、音楽パフォーマンスの概念そのものを変える革新的な機能と言えるでしょう。

練習からライブまでの一貫したワークフロー

XREAL OneとXREAL Eyeの組み合わせは、練習段階からライブパフォーマンスまで一貫したサポートを提供します。自宅での練習時には、楽譜やタブ譜を空間上に表示しながら演奏練習が可能で、エフェクター設定の試行錯誤も効率的に行えます。このシームレスな連携により、練習で培った設定やノウハウを、そのままライブで活用できるのです。

演奏者の新たな可能性

この革新的な機能により、演奏者はこれまで以上に複雑で繊細な音楽表現に挑戦できるようになります。エフェクター設定の記憶という負担から解放されることで、歌詞の細かなニュアンス、観客との一体感の創出、楽曲の解釈など、より本質的な音楽表現に集中できる環境が整いました。

また、空間アンカー機能を活用すれば、エフェクターボードの隣にマニュアルを固定表示できるため、移動時には視界から外れてクリアな視界を確保できます。これにより、演奏者は必要な情報にアクセスしつつ、ステージ上での自由な動きも妨げられることがありません。

真の音楽体験を生み出すための要素に、これまで以上に注力できる新しい時代の幕開けと言えるでしょう。


【体験レポート③】新次元のゲーム体験|ライター乗杉

XREAL Eyeの6DoF対応により、従来の仮想ディスプレイ体験から一歩進んだ「空間コンピューティング」の世界が現実のものとなりました。

XREAL Eyeの新機能

XREAL Eyeでは主に2つの革新的な機能が提供されています。

6DoF対応により、より自然な空間認識が可能になり、XREAL Oneへの写真・動画撮影機能の追加により、体験の記録と共有が簡単になりました。

仮想ディスプレイから空間ディスプレイへの進化

普段からPS5やSwitchなどでゲームを楽しむ一ゲーマーとして、XREAL Eyeの登場は非常に興味深いものでした。XREAL Oneでも十分に没入感のある迫力ある体験は可能でしたが、どこか「仮想ディスプレイ」の域を出ない感覚がありました。

しかし、XREAL Eyeの登場により、XREAL OneのAR体験は仮想ディスプレイから真の空間ディスプレイへと大きく一歩近づいたと言えるでしょう。

空間アンカー機能を活用することで、仮想ディスプレイを斜めに固定し、従来のXREAL Oneでは味わえなかった深みのある空間ディスプレイ体験を実現することができました。

音楽ゲームでの革新的な体験

近年、アーケードから家庭用まで、老若男女が楽しめる音楽ゲームが大きな人気を集めています。ゲームセンターでの筐体体験を家庭で完全再現するには、通常であればかなりのコストと手間が必要です。

しかし、XREAL Eyeなら話は別です。空間ディスプレイの調整機能と6DoFの組み合わせにより、スマートフォンやタブレットでの音楽ゲームプレイを、まるで実際のゲームセンターでプレイしているかのような体験に昇華することが可能になりました。

実際のプレイ体験

実際にスマートフォンと接続し、スマートフォン向けにリリースされている複数の音楽ゲームを、XREAL Eyeの空間アンカー機能を用いて空間上に投影してプレイしてみました。

最近の音楽ゲームの多くは、画面上部から斜め下に向かってノーツが流れてくる形式を採用しています。この特性を活かし、XREAL Eyeの空間アンカー機能により、より直感的で没入感のあるプレイが可能になりました。

この技術により、家庭にいながらにして、ゲームセンターでのプレイ体験に限りなく近い感覚を味わうことができるようになったのです。


3人のライターによる座談会

実際に使ってみた3人の生の声を座談会形式でまとめてみました。それぞれ異なる視点から語られるXREAL OneとXREAL Eyeの可能性と課題について、リアルな意見を交換しています。

また、今回の座談会を開くにあたって、XREAL Japanのプロダクトマネージャーである高氏から、XREAL Eyeの特に注目してほしいポイントについてお話を伺うことができました。

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高 天夫

XREAL Japanでプロダクト責任者を務め、市場展開と顧客体験設計を担当。大手テック企業での製品戦略経験を活かし、XRを通じて現実と仮想を繋ぐ新たな日常の創出に取り組んでいます。

高氏は注目ポイントして

・動画や写真の撮影が可能になった点
・ネイティブ6Dofによる空間アンカー機能

この2点を非常におすすめしてくれました。この部分にも触れつつ行った意見交換会の様子を是非ご覧ください。

装着感と使い勝手について

さつきまず最初に、みなさんの装着感について聞きたいんですが、どうでしたか?

まお正直に言うと、使っているとレンズが欲しくなりますね。私はメガネユーザーなんですが、メガネの上からメガネを掛ける形になるので、重さでだんだん下がってくるんです。普段メガネを使う人なら、JUNGINZAで度付きレンズを作るのはありだと思います。

乗杉僕はコンタクト派なんですが、コンタクトでの使用が一番ストレスフリーでしたね。視界もクリアだし、ずれる心配もない。

まおそうですね。コンタクトを普段使いする人なら、わざわざ度付きレンズを作らなくても十分だと思います。ただ、メガネ派の人にとっては、長時間使用を考えるとレンズ代もコストに含めて考えた方が良いかもしれません。

さつき重さはどうですか?長時間使用での疲労感は?

乗杉これは思ったより軽いですよ。最初は「ARグラスって重そう」というイメージがあったんですが、実際使ってみると普通のサングラスとそれほど変わりません。

まおただ、バランスの問題はありますね。前側に重心があるので、鼻あての調整が重要になってきます。ここをきちんと合わせないと、長時間使用は厳しいかも。

撮影機能の制限について

さつき撮影機能について詳しく聞きたいんですが、XREAL Eye、ストレージ2GBあるなら動画撮影の時間3分でも良いんじゃないですか?なんで1分なんでしょう?

まおそこはプライバシーの兼ね合いもあると思います。長時間撮影できてしまうと、悪用される可能性が高くなりますからね。撮影時に強制的に音がなるのも、日本の慣例に配慮した仕様だと思います。

乗杉海外版は違うんですか?

まお詳しくは分からないですが、スマホなんかだと日本向けに調整されているそうです。盗撮防止の観点からも、音を消せない仕様は理にかなっているのかも。ただ、海外でもARグラスによる撮影は慎重にすべきという話も出ているので、日本に限った話ではないのかもしれないですね。

さつきでも実用面を考えると、私今度旅行先で動画撮りたいんですけど、正直1分だと時間的に厳しいです。せめて3分は撮れたらなぁ。風景とかを撮るには短すぎませんか?

まお現状では1分の動画を複数回撮るって形で対応するしかないですね。編集で繋げば一つの動画にできますし。ユーザーからの要望が多ければ、将来的にファームウェアアップデートで改善される可能性もありますが。

乗杉容量的には余裕がありそうですよね。2GBって結構な容量ですし。

さつきそうそう!マイクロSDとか挿せて、容量増やせればいいんじゃないですか?そうすれば撮影時間の制限も緩和できそう。

まおそれを実現するのがXREAL Beam Proなんです。外部ストレージとしても機能するし、より高度な処理も可能になります。

乗杉あー、なるほど。エコシステム全体で考えると、外付けのストレージや処理能力もXREAL Beam Proが担っているわけですね。単体での完結を求めるか、システム全体での最適化を取るかの設計思想の違いかも。

さつきところで、撮影時に表示されるフレームってなんであの大きさなんですか?あのフレームの中だけを撮っているわけでもないのに、なんか不思議じゃないですか?

まおあれはガイドの役割だと思います。あのフレームを中心に撮るのが一番画角が良くなるように設計されているんじゃないでしょうか?

さつきなるほど、日の丸構図的なグリッドとして使っているということですね。

まおそうです。それに、XREAL Eyeの大きな魅力は、ワンボタンで気軽に写真が撮れるという手軽さにあります。スマホを取り出して、カメラアプリを起動して、という手間が一切ない。これは意外と大きなメリットですよ。実際高さんも、「動画はショート(60秒)ではあるけれど、気軽に動画や写真を撮れるようになったことが注目ポイントの一つです」とおっしゃってましたしね。

乗杉確かに。「あ、今の瞬間撮りたい」って思った時に、すぐ撮れるのは革新的ですね。スマホだと結局撮りそこねることも多いし。

音楽での活用について

乗杉さつきさんの音楽での活用、すごく興味深いんですが、XREAL Oneを装着したままのライブって、なかなか想像するのが難しいですね。実際に楽器を演奏しながらどうやってXREAL Eyeを使うんでしょう?

さつき実は、これが今回一番驚いた発見だったんです。XREAL Eyeで6DoFを活用することで、マルチディスプレイ環境が構築できるんです。空間上にカンペを設置できるので、例えば、エフェクターの設定のメモを空間上に投影して、エフェクターボードの横に固定配置することができるんです。高さんも話していた「空間アンカー機能により、空間を認識して、画面を固定してより立体感が出せる」という部分を肌で感じることが出来ましたね!

まおデジタルカンペですね!それは面白い発想だ。

さつきそうなんです。今まで、曲ごとに違うエフェクター設定を覚えるのって、演奏者にとって本当に大きな負担だったんです。特に長いセットリストの時は、一つ間違えるだけで演奏全体に影響してしまう。でも、これがあれば安心して演奏に集中できます。

乗杉それは革新的ですね。でも実用面を考えると、普通のライブで使うのは難しそうじゃないですか?ライブハウスって基本的に薄暗い場所っていう印象があるんですが、ARグラスの認識精度は大丈夫なんですか?

さつきこれが意外と大丈夫なんです。ステージ上では演者はしっかりと照明で照らされているんです。前からのスポットライト、後ろからのバックライト、足元の照明など、実はステージ上って結構明るいんですよ。

乗杉なるほど!それなら空間認識も問題なさそうですね。それに、XREAL Oneってファッショナブルなサングラスの形状だから、演者が装着していても全然違和感ないですし、むしろカッコいいかも。6DoFを活かした使用方法としては、かなり実用的でユニークな活用法ですね。

まお将来的には、エフェクターなどの周辺機器を遠隔操作できるようになれば、さらに可能性が広がりそうですね。

さつきそうなんです!ハンドトラッキングとかで空中でエフェクターを操作できるようになったら、もう革命的ですよね。想像しただけでワクワクします。

まお両手をハンドフリーにした状態で装着者ができることが増えるというのが、XREAL Oneの本当の価値だと思います。スマホだと、どうしても片手が塞がってしまうし、画面も小さい。でも、これなら両手が使えて、しかも大画面で情報を確認できる。

乗杉楽器演奏以外でも、例えば料理中にレシピを表示したり、DIY作業中に手順書を見たりと、応用範囲は広そうですね。

さつきまさにそうです。私も実際に料理をしながら使ってみたんですが、手が汚れていても視線だけでレシピを確認できるのは本当に便利でした。

ゲーム体験について

まお乗杉さんはゲーマーということですが、長時間使用での疲労感はどうですか?VRみたいに目が疲れたりしませんか?

乗杉その点は想像していたより遥かに良好でした。VRヘッドセットって1時間も使うと目がかなり疲れるじゃないですか。でも、XREAL Oneなら5時間程度着用していても、普通にPCモニターを見ているのとほぼ同じレベルの疲労感なんです。

さつき5時間!それはすごいですね。

乗杉現実世界も同時に見えているからかもしれません。VRみたいに完全に視界を遮断されるわけじゃないので、目への負担が少ないのかも。

まおゲーマーとして一番気になるのは、ちらつきとか遅延とかの問題です。どうでしたか?

さつき遅延は私も気になります。音楽では特にタイミングがシビアなので。

乗杉実は、普通にゲームをプレイしている分には遅延もちらつきも全く気になりません。ただ、完全にゼロというわけではなくて、測定してみると約3msほどの遅延はあります。これは技術的には避けられない部分ですね。

まお3msって、体感的にはどの程度ですか?

乗杉格闘ゲームのような、1フレーム単位での正確性が要求されるゲームでは影響が出る可能性があります。でも、RPGやアクションゲームなど、一般的なカジュアルゲームなら全く問題ありません。バイオハザードや原神みたいなゲームなら、むしろ大画面での没入感の方がメリットとして大きいです。

まおなるほど。そういえば、スマートフォンと接続できるなら、最近流行りの音ゲーなんかと相性良さそうじゃないですか?

乗杉それです!まさにそこが一番感動した部分なんです。最近のスマホはiPhoneもAndroidもUSB-C接続が主流になっているので、XREAL Oneとの相性は抜群です。

さつき音ゲーでの体験はどうでした?

乗杉XREAL Eyeの6DoF機能を使って、空間アンカーで仮想スクリーンを斜めに固定できるんです。これによって、ゲームセンターのアーケード筐体に近い角度でプレイできるようになります。家にいながらにして、ゲーセンの体験が再現できるんですよ。高さんが「6DoFの機能は、様々な人が自分の求める使い方が出来る」とおっしゃっていましたが、まさに僕が求めていた使い方でしたね。

まおそれは革新的ですね!ゲーセンに行かなくても筐体のような体験ができるって、特に地方在住者には嬉しいのでは?

乗杉その通りです。さらに、XREAL Oneに内蔵されているスピーカーの音質も想像以上に良くて、音ゲーにとって重要な音響面でも満足できるレベルです。ヘッドホンやイヤホンを別途用意する必要がないのも楽ですね。

さつきそれは楽器演奏者としても興味深いです。どの程度の音質なんですか?

乗杉もちろん高級ヘッドホンには劣りますが、音ゲーを楽しむには十分なクオリティです。低音もそれなりに出るし、中高音域もクリアです。何より、周囲の音も聞こえるので、完全に外界から遮断されない安心感があります。

デバイスの価格とコストパフォーマンスについて

まお最後に、やっぱり気になるのは価格の話です。XREAL Oneとセットで7万円という価格設定について、どう思いますか?

乗杉正直、最初は「高いなぁ」と思いました。でも実際に使ってみると、コストパフォーマンスは悪くないと感じています。むしろ、購入後のQoL(生活の質)の向上を考えると、投資する価値は十分にあります。

さつき私も同感です。ライブや音楽制作の現場では、もっと高額な機材が普通に使われているので、これだけの機能でこの価格なら妥当だと思います。

まお特にどんな人にオススメしたいですか?

乗杉間違いなくiPhone 15や16ユーザーですね。最新のiPhoneはUSB-Cになったので接続が簡単だし、処理能力も十分です。それに、今は家庭用ゲーム機で発売された名作の多くがスマホにも移植されているので、コンテンツにも困りません。

さつき私はクリエイターの方にオススメしたいです。音楽制作だけじゃなく、動画編集や3DCGなど、マルチディスプレイ環境が欲しい職種の人には特に価値があると思います。

まお確かに、物理的なディスプレイやスペースを必要としないのは大きなメリットですね。ゲーミングPCのセットアップって、本当にスペースを取りますから。XREAL Oneなら、どこでも大画面環境を構築できる。

乗杉持ち運べるというのも革命的です。出張先でも、カフェでも、実家に帰った時でも、いつでも同じ環境でゲームや作業ができる。これってすごくないですか?

さつきそれに、6DoFのおかげで画面の位置や角度の調整も自由自在ですしね。自分の好みに合わせて、最適な視聴環境をカスタマイズできます。

まおただ、初期投資として7万円は決して安くないので、まずはXREAL Oneだけを試してみて、気に入ったらXREAL Eyeを追加するという段階的な購入も良いかもしれませんね。

乗杉そういう買い方もありですね。XREAL Oneだけでも十分楽しめますし、XREAL Eyeの機能が必要になったら後から追加すれば良い。拡張性があるのも魅力の一つです。

今後の期待と要望

さつき最後に、今後の※アップデートや新機能に期待することはありますか?

まおやっぱり動画撮影時間の延長ですね。技術的には可能だと思うので、ユーザーの声が多ければ実現してほしいです。

乗杉僕はハンドトラッキング機能の追加を期待しています。空中でジェスチャー操作ができるようになれば、ゲーム体験がもっと革新的になりそう。

さつき音楽分野では、MIDIコントローラーとの連携機能があったら嬉しいですね。エフェクターを空間上で直接操作できるようになれば、ライブパフォーマンスの可能性が無限に広がります。

まおアプリケーションの充実も重要ですね。せっかくの6DoF機能を活かしたアプリがもっと増えれば、活用シーンも広がると思います。

乗杉そうですね。ハードウェアのポテンシャルは十分高いので、あとはソフトウェア次第という感じがします。開発者の皆さんには期待していますし、僕たちユーザーも積極的にフィードバックを送っていきたいですね。

※XREAL ARグラスのソフトウェア更新について、以下の手順で行えます。
ARグラスをPCに接続し、専用の更新ページ(https://www.xreal.com/ota/)からアップデートが可能です。更新は不定期に提供されるため、お時間のある際に定期的に確認していただき、新しいバージョンが利用可能な場合は更新を行ってください。


まとめ

今回はXREAL Eyeを三人のライターが使ってみて、意見交換を行うという、普段と少し違う内容にしてみました。そこから見えてきたのは、異なる分野であっても、それぞれ独自の価値を提供する拡張デバイスということ。新しい体験を求める方には十分に検討する価値があるデバイスと言えるでしょう。

特に6DoF機能による空間アンカーは、これまでのAR体験を大きく進歩させる技術として注目に値します。今後のアップデートや新機能の追加にも期待が高まります。

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Niantic Spatial SDK v3.15、Meta Quest 3にベータサポートで対応 — 屋外VPSとライブメッシング機能を追加

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 - innovaTopia - (イノベトピア)

Niantic Spatial SDK v3.15がMeta Quest 3およびQuest 3Sに対応した。このSDKは開発者にセンチメートル精度の屋外VPS(Visual Positioning System)、長距離ライブシーンメッシング、セマンティックセグメンテーションの機能を提供する。

これらの機能は、Metaが今年初めからサードパーティのHorizon OSアプリにパススルーカメラへのアクセスを許可したことで実現した。Nianticは約10年間開発してきたコンピュータービジョンモデルを活用している。

このリリースは、Pokémon GOで知られるNianticの買収発表から約5か月後に行われた。Niantic GamesビジネスはサウジアラビアのScopelyに売却され、空間技術部門はNiantic Spatialとして独立した。NianticのVPSマップは100万か所以上をカバーし、Pokémon GOやScaniverseのプレイヤーからのスキャンデータを使用して構築されている。

VPS APIは月間最初の25,000回のコールが無料で、それ以降は1コールあたり約0.01ドルである。オンデバイスコンピュータービジョン機能は月間アクティブユーザー(MAU)あたり月額約0.10ドルの料金が必要だ。従来のMeta Depth APIが約4メートルまでしか対応しないのに対し、Niantic Spatial SDKは長距離メッシングをサポートしている。

From: - innovaTopia - (イノベトピア) Niantic Spatial SDK Brings Outdoor VPS & Long-Distance Live Meshing To Quest 3

【編集部解説】

今回のNiantic Spatial SDKのQuest 3対応について、技術的な意義と業界への影響を詳しく解説いたします。

まず技術的な革新性について確認しましょう。従来のGPSは理想的条件下でも1メートル程度の精度しか持ちませんが、Nianticが提供するVPS(Visual Positioning System)は、コンピュータビジョンを活用してセンチメートルレベル精度での位置特定を実現します。これは単なる精度向上ではなく、屋外でのAR/MR体験を根本的に変える可能性を秘めています。

重要なのは、現在Quest 3への対応がベータサポート段階にあることです。Niantic Spatial公式ブログでは「beta support for Meta Quest 3」と明記されており、正式リリースに向けた検証が続けられています。

MetaがHorizon OSアプリに対してPassthrough Camera API(パススルーカメラAPI)を開放したことも重要な背景です。この決定により、Nianticは約10年間蓄積してきたコンピュータービジョンモデルをQuest 3プラットフォームで活用できるようになりました。これは技術的な垣根を越えた協力関係の好例といえるでしょう。

Live Meshing(ライブメッシング)機能についても重要な進歩が見られます。従来のMeta Depth APIは約4メートルの範囲に制限されていましたが、Niantic Spatial SDKは近距離・長距離両方のメッシングに対応し、大規模な屋外環境での利用を可能にしています。これにより、従来の室内中心だったMR体験が屋外へと拡張される道筋が見えてきました。

企業分割の経緯についても重要な文脈があります。2025年3月12日にNianticとScopelyが買収合意を発表し、同年5月29日に35億ドルでの買収が完了しました。追加の現金3.5億ドルを含む総額38.5億ドルの取引です。この分離は単なる企業再編ではなく、Nianticがspatial intelligence(空間知能)分野に特化する戦略的転換を示しています。

料金体系については詳細な検証が必要です。Niantic公式サイトによると、SDK使用料は月間アクティブユーザー(MAU)500人まで無料で、それ以降は段階的な料金体系となっています。VPSについては複数のプラットフォームで異なる条件が設定されており、8th Wall経由では月間10,000コールが無料とされています。これらの価格設定は開発者にとって比較的アクセスしやすい水準といえるでしょう。

この技術が開く可能性は多岐にわたります。教育分野では歴史的建造物の現場での3D再現、製造業では工場設備の保守作業でのリアルタイムガイダンス、建設業では建築物の3D設計図の現場重畳表示などが考えられます。特に、100万か所以上をカバーするVPSマップにより、観光地や公共施設での位置ベースAR体験の精度が飛躍的に向上するでしょう。

一方、潜在的なリスクも考慮が必要です。高精度位置情報システムはプライバシーの観点で新たな課題を生み出す可能性があります。また、屋外でのMR体験が普及すれば、歩行中の安全性確保や公共空間での利用マナーなど、社会的なルール作りも必要になるかもしれません。

長期的視点では、この技術は空間コンピューティングの民主化を促進する可能性があります。従来は大企業や研究機関に限られていた高精度空間認識技術が、より多くの開発者に開放されることで、革新的なアプリケーションが生まれる土壌が整いつつあります。

この発表は、単なる技術アップデートではなく、AR/MR業界全体の方向性を示す重要な節目といえるでしょう。Nianticのspatial intelligence(空間知能)への特化と、Metaのプラットフォーム開放が組み合わさることで、次世代の空間コンピューティング体験の基盤が整いつつあります。

【用語解説】

VPS(Visual Positioning System)
視覚測位システム。カメラ映像から独特の視覚パターンを識別し、既存の高精度3D地図と比較することで位置を特定するシステムだ。従来のGPSが1メートル程度の精度であるのに対し、センチメートルレベル精度での位置特定が可能である。

ライブメッシング(Live Meshing)
リアルタイムで3Dシーンメッシュを生成する技術だ。従来の事前スキャンが不要で、カメラ映像から動的に3D空間情報を構築する。近距離・長距離両方のメッシングに対応している。

セマンティックセグメンテーション(Semantic Segmentation)
画像内のオブジェクトや表面をリアルタイムで識別・分類する技術である。地面、空、水、建物、家具などの環境要素を自動認識し、仮想コンテンツとの自然な相互作用を可能にする。

Passthrough Camera API(パススルーカメラAPI)
VRヘッドセットの前面に搭載されたカメラにサードパーティアプリからアクセスできる機能だ。現実世界の映像をヘッドセット内に表示し、MR(複合現実)体験の基盤となる技術である。

Horizon OS
MetaのVR/MRプラットフォーム向けオペレーティングシステムである。Quest 3およびQuest 3Sで動作し、サードパーティアプリの実行環境を提供する。

【参考リンク】

Niantic Spatial(公式サイト)(外部)空間コンピューティング技術の開発を手がけるNiantic Spatialの公式サイト。SDK情報や開発者向けリソース、料金体系の詳細を提供している。

Meta Quest 3(公式サイト)(外部)Metaの次世代MRヘッドセットQuest 3の公式サイト。製品情報や価格(512GB版:81,400円)などを掲載している。

Scaniverse(公式サイト)(外部)Nianticが提供する無料3Dスキャンアプリの公式サイト。iOS・Android対応でガウス・スプラッティング技術を活用した高品質3Dスキャンが可能だ。

Meta Quest 3S(公式サイト)(外部)Meta Quest 3の廉価版モデルの公式サイト。Quest 3と同様のMR機能を搭載しながら、より手頃な価格で提供されている。

Scopely(公式サイト)(外部)Savvy Games Groupの子会社で、2025年5月29日にNianticのゲーム事業部門を35億ドルで買収完了した米国の大手モバイルゲーム会社である。

【参考記事】

Niantic Spatial SDK Brings Immersive Reality to Meta Quest 3(外部)Niantic Spatial公式ブログによる詳細発表。Quest 3への「beta support」について説明し、近距離・長距離両方のライブメッシング機能の実際の映像を含む技術的実装を解説している。

Scopely completes acquisition of Niantic’s games business(外部)Savvy Games Groupによる公式発表。2025年5月29日の買収完了と35億ドルの取引金額について詳細を報告している。

Pricing Calculator for Developers Building with Niantic Spatial(外部)Niantic Spatial公式の料金計算ページ。SDKの無料枠(500 MAU)と段階的料金体系について詳細を提供している。

Release Notes v3.15(外部)Niantic Spatial SDK v3.15の公式リリースノート。Quest 3サポートのハイライトと技術的詳細、既知の問題について記載されている。

Scopely officially announces acquisition of Niantic’s gaming division(外部)LinkedInでの詳細分析記事。35億ドルの基本取引額と追加3.5億ドルの現金配布を含む総額38.5億ドルの取引について解説している。

Niantic Studio Pricing(外部)8th Wall経由でのVPS利用について、月間10,000コール無料の詳細情報を提供している。

【編集部後記】

今回のNiantic Spatial SDKの発表は、AR/MR技術が単なる室内体験から屋外での実用的なツールへと進化する転換点かもしれません。現在はベータサポート段階ですが、センチメートルレベルの位置精度を活用したアプリケーションを、皆さんはどのような分野で体験してみたいでしょうか。また、空間コンピューティングがより身近になったとき、私たちの働き方や生活様式はどう変化すると思われますか。

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XREAL One Pro実機レビュー!進化した最上位ARグラスの実力とは

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皆さんこんにちは!innovaTopiaのライター乗杉です!今回はXREAL社から発売された新作ARグラスXREAL One Proをお借りしましたので、XREAL Oneとの違いやどういうところが「Pro」なのか、みなさんに紹介していこうと思います!

XREAL One Proとは?

XREAL One ProはXREAL Oneに次ぐ、7月24日にXREAL社から発売された最新ARグラスです。新開発の光学モジュール「X prism」を搭載しており、視野角がOneの50度から57度に広がり、サイズも44%カットされた、最上位モデルにふさわしい進化を遂げています。詳しくは発表会の模様をお届けした記事があるので、気になる方はそちらをご覧ください!

XREAL Oneとの違いってどんなもの?

innovaTopiaではこれまでXREAL Oneの記事を多数投稿してまいりました。そのような中で今回発売されたXREAL One Pro、ズバリ一番気になるのはやはり「Oneとの違い」です。今回は実際にOneとOne Pro、見た目の違いも紹介していこうと思います。

 - innovaTopia - (イノベトピア)
左がXreal One Pro 右がXreal One

比べてみて真っ先に目が行ったのが、フレーム上部とレンズの違いです。Oneの方では私が眼鏡をかけているのもありますが、つけながらOneをかけると、どうしてもぶつかってしまい、眼鏡の破損が怖かったのですが、One Proは新光学モジュールのおかげで側面から見たとき三角形になっていた部分が改善、平らになったことで眼鏡を付けていても非常につけやすくなりました。

これは眼鏡ユーザーの自分からするととても大きな違いに感じられました。

もちろん眼鏡ユーザーへのアプローチも依然として変わらず行っています。XREAL One向けにレンズを取り扱っているJUN GINZAはOne Proでも引き続きレンズの販売を行っています。しかし眼鏡のままつけられるのならそれでも十分と感じるユーザーも多いでしょう。そんな人でも今回のOne Proであれば満足できる方もいるはずです。

視野角に関しては正直普段使いではあまり違いを感じませんでした。というのも、そもそも視野角50度が思ったより広く、歩きながら使うなどではなく、モニター代わりに使うような形だと50度でも十分なためです。もちろん57度であるメリットも存在するので、使うユーザーによってどちらがいいかは選べるのは良い点です。

映像や音声に関してもXREAL Oneで十分高いスペックを誇っているので、こちらもOneで満足できるユーザーも多いと思います。XREAL社も「用途によって使い分けて欲しい」と言っている通り、使用目的によってどちらを買うか決められるのは非常に嬉しいポイントです。ただ先ほども言ったように、眼鏡ユーザーはそのまま使うならOne Proが非常におすすめできます。

XREALOneでは眼鏡との併用を行うと、眼鏡本体に対する物理的な負担が非常に大きかったです。しかし、One Proでは眼鏡と併用しても本体に対する負担が非常に少なく、眼鏡をかけながらでも長時間の使用が可能です。対応するレンズがあるとはいえ、やはりこの点は魅力です。

また、先日発売されたXREALEyeにもしっかり対応しています。XREALOneに撮影機能と6Dofを付与するデバイスです。

One Proのスペックでの6Dof対応は非常に魅力的です。One proは光学チップがX prismになったことで、輝度が700nitsに増しました。XREALOneでも非常に快適な仮想空間ディスプレイ環境を体験することができましたが、輝度が増したことで、One Proでは視認性が大きく増しました。

ディスプレイ外部から、内部の映像が見えにくくなったことによりプライバシー性が増しました。カフェや、出張での移動中の電車内で使うなら周囲からの視線を防ぐのにピッタリでしょう。

業務シーンでXREALOneを用いるならばOneProの方に軍配があがるでしょう。

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前:OnePro 後:XrealOne

OneProを用いてのゲームプレイや動画視聴も通常のXREALOneよりかなり快適な体験をすることができました。やはり眼鏡を普段から使っていますので、眼鏡にフィットしているOneProは顔に痛みも感じにくく、長時間の着用でも気にせず使っていくことができそうです。

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動画視聴にもピッタリ

また、音響部分も見逃せません。XREAL Oneに続き今回も、Boseによるチューニングが行われていますが、One Proの方が若干の音質向上がなされていると聞いていたので、実際に耳を澄まして動画を再生してみました。

実際、X Prismによる画面の見やすさの向上、視野角が広がったことにより、よりワイドに見ることができるようになった部分も合わさり、まるでライブのような臨場感を体験することができました。

Oneの時から思っていましたが、イヤホンのように耳をふさぐわけではなく、つるの部分から音が出るのは個人的には臨場感が増してすごく好感が持てます。収音性も高く、さすがに大音量にすると周りにも音が漏れてしまいますが、ある程度の音量であればそこまで音漏れも気になりませんので、外であってもイヤホンを付けずに楽しむことができるのもポイントが高いです。もちろんイヤホンをスマホなどに差せば、スピーカーから音を出さないようにもできますので、ユーザーごとに使い分けができるのも良い点です。

ここで、着用感について重要な要素を一つ付け加えておきたいと思います。それはIPD(瞳孔間距離)への対応です。

IPDとは左右の瞳孔の中心間の距離のことで、一般的に成人男性で約64mm、女性で約62mm程度とされています。ARグラスにとってIPDは非常に重要な要素で、個人のIPDに合わない場合、画面がぼやけて見えたり、疲労感が増したりする原因となります。OneProでは2つのサイズが用意されており、幅広いユーザーが違和感なく使えるようになっています。

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2つの瞳孔間距離の選択が可能です。

もしXREALOneを持っていないなら、がっつりゲームをしたり、動画の視聴目的でXREALOneProから買うのも十分にありな選択だなと思えます。もちろん84980円という値段は気軽に手を出しにくい値段ではあります。

しかし、購入したことに対するコストパフォーマンスは間違いなく良いだろうと断言できます。筆者がXREALOneを愛用していますが、XREALOneでもその良さを充分に堪能しています。

XREALOneProならもっと多くの魅力を堪能できるでしょう。

今XRグラスの購入に迷っている方には、XREALOneProは間違いなくおすすめできる製品です。

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VR/ARニュース

サンリオ「Virtual Festival 2025 Summer Edition」9月開催決定、マツケン×トシちゃん×きらりコラボ再上演

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サンリオがメタバースで面白いことを始めています。今度の「Sanrio Virtual Festival 2025 Summer Edition」は、ちょっと驚きの内容なんです。なんと松平健さんと田原俊彦さんがVRChat空間でハローキティたちと共演するというのです。想像してみてください、暴れん坊将軍とトシちゃんが、デジタル空間でサンリオキャラクターと一緒にステージに立つんですよ。

サンリオが2月にイベントを開催してから、たった半年で再び開催できるのも、デジタル空間ならではの機動力。物理的な会場の制約がない分、こんなスピード感で楽しいイベントを繰り返し開催できるわけです。これって、私たちがデジタルとリアルが混ざり合った新しい世界で遊ぶ未来の入り口かもしれませんね。


サンリオは8月6日、「Sanrio Virtual Festival 2025 Summer Edition」の開催を発表した。2025年9月19日から9月28日まで10日間開催される。主催はサンリオとサンリオエンターテイメントで、ソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」上で開催される。2025年2月9日から3月9日に開催された「Sanrio Virtual Festival 2025」のアーティストパフォーマンスの再上演を中心とした内容で、松平健と田原俊彦、月島きらりのコラボステージが9月21日と27日に予定されている。

チケット料金は、スタンダードパスが¥4,400、前回購入者向けのアンコールパスが¥1,100、Android/Quest版が¥550である。

無料コンテンツとして、サンリオピューロランドを再現した「PURO ENTRANCE」、アバターファッションが楽しめる「PURO FASHION GARDEN」、ポチャッコのミニゲーム「ぱくぱく大作戦」などが用意されている。バーチャルパレード「RYUGU – Generated Paradise」も復活し、VRChatコミュニティとの日替わりコラボイベントも開催される。6名の公式アンバサダーによるツアーも実施予定である。イベントはVR機器なしでもWindows PCのデスクトップモードで参加可能である。

From:
 - innovaTopia - (イノベトピア)Sanrio Virtual Festival 2025 Summer Edition 公式発表

【編集部解説】

メタバース技術の社会実装における転換点

今回のサマーエディション発表は、メタバース技術が実証段階から本格的な事業展開段階へ移行していることを示す重要な事例です。わずか半年での再開催という短いサイクルは、デジタルコンテンツの持つスケーラビリティ(拡張性)の威力を物語っています。

従来の物理的なイベントでは、会場確保から運営スタッフの配置まで、多大なリソースが必要でした。しかし、VRChat上のバーチャル空間では、一度構築したデジタルアセット(3Dモデルやワールド)を繰り返し活用することで、コスト効率的なイベント運営が可能になります。

エンターテインメント業界のパラダイムシフト

注目すべきは、松平健さんや田原俊彦さんといった昭和・平成を代表するベテランエンターテイナーがVR空間に初参戦することです。これは単なる技術的な挑戦ではなく、デジタルネイティブ世代と従来のファン層をつなぐ橋渡しとしての戦略的意味があります。

VRの特徴は、地理的制約を超えて世界中のユーザーが同一空間に集まれる点です。これにより、従来は東京のサンリオピューロランドに物理的に足を運ぶことが困難だった海外ファンや、身体的制約のあるユーザーも等しくエンターテインメント体験を享受できるようになります。

アクセシビリティの革新

技術的アクセシビリティの観点から見ると、VR機器なしでもWindows PCのデスクトップモードで参加可能という設計思想は非常に重要です。高価なVRヘッドセットを前提とせず、より多くのユーザーに門戸を開いている点は、メタバース技術の大衆化において画期的な取り組みと言えます。

また、Android/Quest版チケット(¥550)という低価格帯の設定は、モバイルファースト戦略の現れでもあります。スマートフォンという身近なデバイスでもメタバース体験を提供することで、技術的ハードルを大幅に下げています。

コミュニティ駆動型エコシステムの形成

VRChatコミュニティとの日替わりコラボイベントは、単なるコンテンツ消費から参加型文化創造への転換を示しています。これはユーザー生成コンテンツの概念をエンターテインメント業界に本格導入した事例として注目されます。

従来のマスメディア型エンターテインメントでは、企業が一方的にコンテンツを提供し、ユーザーは受動的な消費者でした。しかし、メタバース環境では、ユーザー自身がコンテンツの共創者となり、イベント体験そのものを豊かにする役割を担います。

長期的な産業への影響

この取り組みは、従来のエンターテインメント業界にとって重要な実験的意味を持ちます。成功すれば、他の大手エンターテインメント企業も同様のメタバース戦略を採用する可能性が高く、業界全体のデジタルトランスフォーメーションが加速するでしょう。

物理的な制約から解放されることで、世界各地のタレントやクリエイターが同一のバーチャル空間でコラボレーションできる環境が整います。これは、創作活動の国際化と多様化を促進する可能性があります。

【用語解説】

VRChat
ソーシャルVRプラットフォームで、3Dアバターを使用してバーチャル空間でユーザー同士が交流できるサービスである。PC、Quest、Android等の多様な端末に対応し、VR機器なしでもデスクトップモードで参加可能である。

バーチャルパレード
VR空間内で行われるデジタルキャラクターによるパレードイベントで、従来のテーマパークとは異なる3次元空間を活かした演出が特徴である。

VRChatコミュニティ
VRChatプラットフォーム上で活動するユーザーグループや創作者集団の総称で、独自のイベントやワールド制作を行っている。

【参考リンク】

Sanrio Virtual Festival 2025 Summer Edition 公式サイト(外部)VRChatで開催される世界最大級のバーチャルフェスティバルの公式サイト。チケット購入や参加方法を掲載

Sanrio Virtual Festival 2025 Summer Edition チケット販売サイト(外部)チケット購入専用サイト。スタンダードパス、アンコールパス等の詳細な料金体系を確認可能

サンリオ公式サイト(外部)サンリオの公式ポータルサイト。ハローキティなどのキャラクター情報や企業情報を提供

VRChat公式サイト(外部)ソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」の公式サイト。アカウント作成や基本的な使用方法を案内

【参考動画】

【参考記事】

『Sanrio Virtual Festival 2025 Summer Edition』の開催決定速報(外部)バーチャルライフマガジンによる詳細レポート。前回イベントとの比較や変更点を網羅

【編集部後記】

サンリオのメタバース戦略は、エンターテインメント業界のデジタルシフトを象徴する事例として注目されますが、皆さんの業界ではどのような変化が起きているでしょうか。特に、従来の物理的制約を超えた新たな顧客接点の創造について、ご自身のビジネスに応用できる要素はありませんか。VRChatという既存プラットフォームを活用する戦略と、自社プラットフォーム構築のメリット・デメリットについても、皆さんと一緒に考えていければと思います。

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