MapBoost、Google口コミ返信をAIが3秒で生成するChrome拡張を提供開始

株式会社Mycatは2026年2月26日、Google ビジネスプロフィールの口コミ返信をAIで自動作成するChrome拡張機能「MapBoost(マップ ブースト)」の提供を開始した。口コミの横に表示される「AI返信」ボタンを押すだけで、店舗の業種や口コミ内容に合わせた返信文を約3秒で生成する。飲食店、美容サロン、クリニック、歯科医院、ホテル、小売店など10業種に対応し、低評価の口コミに対してはお詫び・共感・改善の姿勢を盛り込んだ返信を提案する。料金はフリープラン(月額0円、月5件まで)からプロプラン(月額14,800円(税別)、返信無制限、10店舗まで)まで4プランを用意し、14日間の無料トライアルが付く。利用にはMapBoost公式サイトでのアカウント作成とChrome拡張のインストールが必要である。

From: 文献リンクGoogle口コミ返信をAIが3秒で作成 ── 店舗向けChrome拡張「MapBoost」の提供を開始

【編集部解説】

MapBoostが取り組んでいるのは、「口コミへの返信」というローカルビジネスにおける地味ながら極めて重要な業務の自動化です。ここで注意すべきは、Googleが禁止しているのは「AIが生成した口コミ(レビュー)そのもの」であり、口コミに対する「オーナーからの返信」をAIで作成することとは区別される点です。

Googleは公式に、口コミへの返信がローカル検索結果での視認性向上に寄与すると明言しています。業界調査によれば、口コミのシグナル(件数、評価、鮮度、オーナーの返信など)はローカルSEOランキング要因の約10%を占めるとされ、消費者の97%がローカルビジネスを選ぶ前にレビューを読み、また89%がオーナーからの返信を期待しているという統計もあります。

つまり、口コミを放置することは集客機会の損失に直結します。特に中小規模の店舗では、日々の業務に追われて返信が後回しになりがちで、この「返信の空白」がそのまま検索順位の低下やブランドイメージの毀損につながるリスクがあります。

こうした背景から、AI口コミ返信ツールの市場は急速に拡大しています。国内ではすでにGMOの「MEO Dashboard」、Gyro-nの「Review」、Sooon株式会社の「クチコレ」、医療特化型の「AI自動返信 by Medrock」など複数のサービスが展開されており、MapBoostは後発の参入となります。

MapBoostの特徴は、既存のGoogleビジネスプロフィール画面上にChrome拡張として統合される点にあります。専用の管理画面に移動する必要がなく、口コミの横に直接「AI返信」ボタンが出現するため、導入の心理的・技術的ハードルが低く設計されています。月額0円のフリープランから始められる価格設定も、個人経営の店舗にとっては試しやすいでしょう。

一方で、AIによる返信自動化には注意すべき点もあります。Originality.aiの調査では、Google上のAI生成コンテンツの割合は2019年の5.01%から2024年末には19%まで上昇しており、専門家の中には2026年末までにAI生成レビューが人間の投稿を上回る可能性を指摘する声もあります。こうした状況下で、返信文までAI頼みにすることで、顧客とのコミュニケーションが画一化し、ブランドの個性が薄れるリスクは否定できません。

また、GoogleはAI生成の「レビュー」をスパムとして明確に禁止していますが、AI生成の「返信」についてはガイドライン上の明確な言及がまだ限定的です。今後、返信文の品質や真正性に対する基準が厳格化される可能性も視野に入れておく必要があるでしょう。

長期的に見れば、AI口コミ返信ツールは店舗運営の効率化において有効な手段ですが、あくまでも「たたき台」として活用し、最終的には人間の目で確認・編集するという運用が望ましいと考えられます。MapBoostがこの編集機能を備えている点は評価できますが、使い手のリテラシーに委ねられる部分が大きいことも事実です。

【用語解説】

Google ビジネスプロフィール(GBP)
Googleが提供する無料のビジネス管理ツールである。Google検索やGoogleマップ上に店舗の住所、営業時間、写真、口コミなどの情報を掲載・管理できる。旧称は「Googleマイビジネス」。

MEO(Map Engine Optimization)
Googleマップ上での検索結果において、自店舗を上位に表示させるための最適化施策のことである。SEO(検索エンジン最適化)のローカル版に相当し、口コミの件数・評価・返信率などが主要なランキング要因とされる。

Chrome拡張機能(Chrome Extension)
Google Chromeブラウザに追加できる小規模なソフトウェアプログラムである。ブラウザの機能を拡張し、特定のウェブサイト上に独自のボタンや機能を表示させることができる。

ローカルSEO
特定の地域に関連する検索クエリ(「近くのカフェ」「渋谷 美容院」など)に対して、自社ビジネスの表示順位を向上させる施策の総称である。Googleのローカル検索では「関連性」「距離」「知名度(プロミネンス)」の3要素が主なランキング要因とされている。

ハルシネーション(Hallucination)
AIが事実に基づかない情報をあたかも事実であるかのように生成してしまう現象である。口コミ返信においては、存在しないメニューやサービスをAIが創作してしまうリスクがある。

【参考リンク】

MapBoost公式サイト(外部)
株式会社MycatによるAI口コミ返信Chrome拡張の公式ページ。サービス概要や料金プラン、アカウント登録が可能。

株式会社Mycat 公式サイト(外部)
MapBoostの開発・運営元企業の公式サイト。2025年1月設立、東京都目黒区に所在する。

Google ビジネスプロフィール ヘルプ(外部)
Google公式のビジネスプロフィール管理サポートページ。口コミ返信やローカル検索のガイドラインを確認できる。

【参考動画】

該当する公式チャンネルまたは信頼度の高いチャンネルによる関連動画は確認できなかったため、この項目はスキップする。

【参考記事】

Google Review Statistics 2025: Key Data & Trends for Local SEO(外部)
口コミシグナルがローカルSEOの約10%を占め、消費者の97%が返信を読むなど主要統計を網羅した記事。

From 2019 to 2024: AI-Generated Google Reviews Increased by 279.2%(外部)
Google上のAI生成レビューが2019年の5.01%から2024年末に19%へ上昇した調査結果を報じた記事。

Do Google reviews help SEO? (2026)(外部)
2026年のローカル検索でレビューシグナルの重要性が増しているとするWhitesparkの調査を紹介した記事。

Fake AI Reviews Are Ruining Google. What Can We Do?(外部)
2026年末にAI生成レビューが人間の投稿を上回る可能性を専門家が警告するWhitesparkの分析記事。

Why Google Reviews Are Non-Negotiable for Local SEO in 2026(外部)
2026年のローカルSEOでは4.8以上の評価と継続的な新規レビューが必須であるとする解説記事。

AI-Generated Reviews are Spam, Google says(外部)
GoogleがAI生成レビューをスパムとして禁止する方針と、AI生成コンテンツ全般への姿勢の違いを解説した記事。

   

【編集部後記】

皆さんは、お気に入りのお店に口コミを書いたあと、オーナーから返信が届いた経験はありますか? たった一言の「ありがとうございます」でも、不思議とそのお店との距離が縮まるものです。AIがその返信を手助けする時代に、「人の温もり」はどこに宿るのか。消費者としても、店舗を応援する立場としても、一緒に考えていけたらうれしいです。

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